過去の延長上には未来が見えない時代、現在の経営学の限界と新しい役割
宇田川:
今後、組織は小さくなっていった方がアンチフラジャイルなのでしょうが、問題はどうやってそこに向かっていくかということです。今の時代というのは、「みんな納得がいく感覚というものを得たくてもがいている段階」なんだと思うんです。というのも、私は九州の大学で9年間働いて、去年東京に戻ってきたのですが、東京ではビジネスパーソン向けの勉強会がものすごくたくさん開催されているのに驚きました。みんな何をしているのかというと、一生懸命、「正解探し」をしているんですね。今の延長線上には答えがないこともなんとなく分かっているんですけれど、でも当座の間、自分を強化してくれるものを求めている。
だけど、世界はどんどん変わっていて、当座の正解を上回る衝撃がやってくるので、勝ち目がない勝負なんですよ。やっぱりアンチフラジャイルな生き方や社会、組織のあり方に変わっていかなければいけなくて、そのためには美意識みたいなものへの転換が求められてくるんだと思います。