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マネジャーの最も大切な仕事はレイティングではなく、グロース・マインドセットを醸成する環境づくり

パフォーマンス・マネジメント革新フォーラム レポート前編:阿諏訪 博一氏(ヒューマンバリュー社)

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 メンバーの自立的な働き方を促し、能力とモチベーションを最大化するマネジメント手法として注目される「パフォーマンス・マネジメント」。その実践的な導入・活用を進め、働き方改革に取り組む人や組織の支援を目的として、2018年2月19日に「日本企業も舵を切り始めたパフォーマンス・マネジメント革新 その現実と未来を見据える」と題し、「パフォーマンス・マネジメント革新 フォーラム2018」が開催された。今年で第3回となるフォーラムに登壇したヒューマンバリュー社 阿諏訪 博一氏の講演についてお届けする。

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デロイトやアクセンチュア、マイクロソフトなどが採用したPM(パフォーマンス・マネジメント)の世界的な広がり

 最初の講演者として登壇した阿諏訪氏は、自身の講演の目的について以下のように語った。

この後続く講演によって、さらにパフォーマンス・マネジメント改革(PMI)について探求が進むよう、まずは全体観をつかめるようなマップをご提供したい。具体的にはPMIがどのように広がってきているのか背景を紹介し、さらに具体的なPMIの全体像と実践のための観点まで触れていきたい。

 まず、現在のビジネス環境の変化について、阿諏訪氏は近年経営者やビジネスリーダーの間でよく使われる「VUCA World」を紹介。不安定で変化が激しく(Volatility)、不確実性が高く(Uncertainty)、複雑で(Complexity) 曖昧な(Ambiguity) 、世の中のことを指す。政治・経済・金融、そしてITなども含めて環境の変化が複合的に絡み合い、大きな混乱をきたしつつあるというわけだ。

 さらに「Disruptive World」として、混乱の中から、既存の枠組みを打ち壊し(Disruptive)、新しい世界を作り出していこうという動きも生まれつつあるという。実際に2014年の2月を境に、ものすごい勢いで多種多様なベンチャー企業が成功しており、前例がないほど急増しているのだ。

 阿諏訪氏は、「企業という組織だけでなく、個々の人という側面に光を当ててみると、そこでも大きな変化が生まれていることが明らかだ」と語る。

成功した組織の成功の源泉は、例えば、いいアイディアが浮かんだからといって夜の10時に電話を掛け合うような社員たちだ。近年AIなどによるビジネスの変化が話題を呼んでいるが、そういう時代だからこそ『価値を生み出す人』『人と人との関わり』が大事なポイントとなり、働く上で内発的な動機が重要になってきているのである。

 実際、ミレニアル世代85万人を対象にした調査で得られた「23のモチベーション要因の順位」*は、トップ3が「意義ある仕事(76%)」「学習と成長(59%)」「家族や仲間(51%)」であり、明らかに内発的な動機付けが仕事のモチベーションの結びついていることが見て取れる。一方、「金銭的報酬(10%)」や「自己決定権(22%)」「昇進・昇格(22%)」を重視する人は少ない。

*ATDインターナショナルカンファレンス2016

パフォーマンス・マネジメント革新フォーラム

 そうした背景のもと、世界ではパフォーマンス・マネジメントの考え方が浸透し、広がっている。特に米国では、デロイトやアクセンチュア、マイクロソフトなど大企業がこぞって採用し、文化として浸透させつつある。

 そんな世界の潮流について、阿諏訪氏はPMIの「世界の歩み」の一側面として、次のように紹介した。

最初は組織文化の変革および戦略変更に伴うPMの見直しが一部の企業で始まり、『ノーレイティング(人事評価をしない)』というセンセーショナルな響きによって関心が広がった。さらにカルチャーやフィロソフィーの重要性に関する認識が広がり、マネジャーの役割やカンバセーションのあり方に注目が集まるようになった。そして、現在では様々な企業が試行錯誤を共有し、ナレッジが広まっている。フィロソフィーの深化、ツールの進化、適用範囲の広がりが生まれている。

パフォーマンス・マネジメント革新フォーラム

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