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デザインシンカーの時代に考える、デザイナーの価値

パナソニックデザイン池田氏が語る、大企業にこそデザインストラテジストが必要な理由

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 「日本企業の強みがものづくりにあるからこそ、日本のインハウス組織におけるデザインストラテジストの役割は、今後ますます重要になる」そう語るのは、元シーモアパウエルのデザインストラテジストで、4月1日からパナソニックデザイン*1 / デザイン統括部のディレクターに就任した池田武央氏。3月23日に開催されたセミナーで池田氏は、デザインプロセスにおける4つのステップを解説しつつ、急速に移り変わる社会背景とともに変化するデザイナーの役割について語った。 *1:パナソニックアプライアンス社デザインセンター

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『絵を描く以外に君はどういった貢献ができるのか?』──学生時代に気づいた「多様性がクリエイティブの燃料」

 ヘルシンキのアアルト大学*2の大学院でデザインを学んでいた池田氏は、「IDBM(インターナショナル・デザイン・ビジネス・マネジメント)」というプログラムに参加。これはマーケティングの学生と工学系の学生、デザインの学生を3人チームにして企業インターンに派遣するというプログラムである。
*2:旧University of Art and Design Helsinki(アアルト大学

 その際に彼はマーケティングやテクノロジーに特化した学生とともにフィンランドの精密機械メーカー「SUUNTO(スント)」に派遣された。ところが異なる専門性を持つチームで何かを生み出そうという時に、自身のデザイナーとしてのスキルが非常に偏っていることを自覚したという。

 すでに日本の大学でデザインを学んでいた池田氏はスケッチなどでの可視化はできたが、それ以外のことができなかったのである。

マーケティングやエンジニアリングを専攻する学生が、それぞれの専門分野から新しい商品像や新しいアイデアを出している時に、僕は発想力ばかりで、根っことなるものを持つことができなかったんです。「絵を描く以外に、君はどういった貢献をしてくれるのか?」というチームメンバーからの視線を、ひしひしと感じました。そのような苦い体験から、デザイナーとして、どう職能を広げたらいいのかを必死に考えるようになりました。

 池田氏は学生時代に味わった挫折から、様々なバックグラウンドを持つ人たちとクリエイティブ活動をする中で、デザイナーとしての職能を広げる必要性と、多様性がクリエイティブの燃料そのものであることに気がついた。同じ人種や同じスキルセットを持つ人材が集まったチームで活動すれば、コミュニケーションコストもかからず、スムーズに仕事が回る。だが、今までになかった新しいものを作り出したり、それまで見えていた路線から外れたアイデアを出す場合には、多様性の中で物事を作り上げていく必要がある。

池田武央池田 武央氏(パナソニック株式会社 アプライアンス社 デザインセンター / デザイン統括部(FLUX)クリエイティブ ディレクター)
ヘルシンキのアアルト大学*にて、ストラテジーデザイン修士を取得後、英国のクリエイティブコンサルティングファーム「シーモアパエル」に入社。2018年までの11年間、ユニリーバ、ギネス、サムソン、デンソー、日立製作所、三菱電機といったグローバル企業に対する、デザインストラテジー立案、ブランドビジョン立案、プロダクトイノベーション提案といった幅広いプロジェクトに従事。
2018年4月より、パナソニックアプライアンス社が新設するデザイン統括部(通称フラックス=FLUX)の代表を務める。ロンドンオフィスを拠点に、京都、東京で活動。2017年に設立し、代表を務める「Takehiro Ikeda Ltd」では、ショートフィルム製作などを通じて、日本の伝統工芸や中小企業の欧州事業開拓をサポート。経済産業省、文部科学省、RCA等で外部レクチャーを経験。オンラインメディア「ビズジン」で連載中。

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