「観察→共感→洞察」のプロセスを経るフィールドリサーチ──なぜ現場におけるリサーチが重要なのか?
観察とは、「現場で実際に起こっていることを感じ把握する行為」を意味します。当然ながら、事実にもとづく根拠がなければ、その先のプロセスは全く無意味なものになってしまいますので、とても重要なプロセスになります。観察の段階では、固定観念や思い込みを一切除外し、初心者の視点でそこで起こっている事象を事実として記録することに徹することが重要です。観察を経て、共感・洞察のプロセスを経て顧客により深く感情移入していきます。
共感とは、「想像の中で、苦しんでいる人の立場に身をおくこと」を意味します。フィールドリサーチでは、対象者へのインタビューや行動観察を通して、ユーザーの発言や行動から顕在化している欲求や感情、その発言や行動の背景にある言語化されていない欲求や感情を探り出していきます。このうち、言語化されていない要素を洞察によって探り出すには、対象者に深く共感することが不可欠になります。