製造業のサブスクリプション化に成功したコマツの事例――どのような「サービス」を顧客に提供するのか
建設機械などを扱う小松製作所(以降、コマツ)は現在、スマートコンストラクションというサービスを提供している。これは、現場に関わるすべてのものをICTでつなぎ、熟練工でなくても効率的に施工を行うためのものである。ドローンなどで高精度に測量を行い、施工完成図を3次元データ化したのち、土壌の質などを分析し、計画を立案する。そしてICT制御された建機を使って施工をした上で、作業実績の全てをデータ化して蓄積・保管するのだ。コマツは、このスマートコンストラクション事業をサブスクリプション方式で提供している。顧客は、トラクターが買いたいわけではなく、土砂を移動して施工したいだけだからだ。
「これはすでに行われていることなのです。製造業の全企業が3年から10年以内に、生まれ変わるでしょう。『所有』から『利用』へ。未来は『所有』にはありません。製品を販売していた企業は、顧客重視の企業へ、サービス提供企業へと変わるのです」とツォ氏は話す。もし変化しなければ、「Uberがあるから、車はいらない」といった具合に、人々にそっぽを向かれてしまう。