自動運転車やコネクテッドカーの実用化が本格化する2020年代を控え、変革期を迎えた自動車業界では自動運転車やコネクテッドカーの開発レースが一層激化し、資金投入も活発化している。2018年はライドシェアやカーシェアなどMaaSなどのサービス分野でもさまざまな動きがあった。そこで、『自動運転ラボ』を運営するストロボは、2018年の自動運転業界10大ニュースを発表した。
1.いよいよ配車アプリ戦国時代突入へ
新興ビジネスとして注目を浴びるライドシェア。日本では「白タク」扱いは変わらない一方で、タクシー配車アプリが続々と増えるというある種「ガラパゴス化」とも言える独自の展開を見せた。
2.自動運転レベル3に不要論…2→4への「飛び級開発」が本格化
自動運転は、完全手動運転(レベル0)から完全自動運転(レベル5)へと車両に搭載される水準が一段階ずつ上がっていくと思われていた。しかし、2018年にはレベル2からレベル4への「飛び級開発」をする企業が出てきた。
3.自動運転実証実験が活況、一般向けや物流用途向けなど裾野も拡大
自動運転の実証実験の実施が日本各地で開催されるようになり、その回数も過去数年に比べると飛躍的に増加した。自動運転タクシーとしての営業走行やコミュニティバスとしての運用、荷物の配送などと裾野が拡大しており、今後は「自動運転とサービス」「自動運転とMaaS」などとマッシュアップ(組み合わせ)された実証実験がより増えていくと予想している。
4.自動運転タクシーが具現化 米でグーグルが開始、日本でも実験
2018年12月、グーグル系企業のウェイモがアメリカ国内で商用サービスを一部ユーザーに対して提供し始めた。日本でも自動運転ベンチャーのZMPと日の丸交通が2018年9〜10月にかけて自動運転の営業走行試験を成功させている。
5.自動運転領域で同業種、異業種がグローバルで連携加速
2018年8月にはトヨタが米配車大手ウーバー・テクノロジーズへの5億ドル(550億円)の出資を発表した。また、10月にはホンダも米GMの自動運転部門クルーズと提携した。
6.光るスピンアウト組、世界で億超え資金調達が続々
2018年、世界では大手企業の研究所からスピンアウト(分離・独立)したスタートアップ企業がでてきた。これらは日本円で1億円以上の資金調達を続々成功させている。
7.陸から空へ、空飛ぶクルマのコンセプトカーのお披露目続く
2018年は空飛ぶクルマのコンセプトモデルが続々と誕生し、個人の移動の舞台として新たに空が加わることの現実味が増した1年だった。
8.大学発ベンチャーが躍進、自動運転OSで国際団体、独自MaaSアプリも
名古屋大学発ベンチャーのティアフォーが自社開発するオープンソースの自動運転OS「Autoware」の国際団体が誕生した。また、埼玉工業大学のフィールドオート社も実証実験支援事業を展開している。MaaS分野では、公立はこだて未来大学発のITベンチャーである未来シェア社がAI(人工知能)を活用したオンデマンド・リアルタイム配車サービス「SAVS」の運用を開始している。
9.CASEなど、自動運転の先に広がる最上位概念の登場
自動車業界の新時代の姿を象徴する言葉として「CASE」(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)というキーワードが広く浸透し始めた。
10.ウーバーなど、ライドシェアのBIGベンチャーの市場評価の拡大加速
ライドシェア世界大手の米ウーバー・テクノロジーや、シンガポールに拠点を置く東南アジア最大手グラブなどのビッグベンチャーの市場価値の拡大が加速している。