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人の心を震わせる消費・サービスを作る上で、アーティストや人間の感性が果たす役割とは?

石井食品株式会社 代表取締役社長執行役員 石井 智康氏【後編】

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 『ビジネスの限界はアートで超えろ!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者で、絵を描くワークショップを通じて右脳と左脳の両方を活用する方法を伝授する増村岳史氏と、石井食品・石井智康社長の対談後編では、石井氏のエンジニアとしての経験も生かした組織変革の実践、企業経営にアーティストの視点や人間の感性が生かされる可能性についての対話をお届けする。

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社長になって力を入れているのは、アジャイル、スクラムの方法を取り入れた組織作り

増村岳史氏(アート・アンド・ロジック株式会社 取締役社長、以下敬称略):前回は、第四創業期と位置づけた新しいビジネスについてお聞きしましたが、社長に就任してから組織も変えていっているんですか?

石井智康氏(石井食品株式会社 代表取締役社長執行役員、以下敬称略):入社して以来、社長になる以前から一番力を入れているのは、チームで仕事をできる組織作りです。フリーランスの時代には、アジャイルコーチやスクラムマスターとして、いろいろな企業の開発チーム作りや、開発チームとビジネスチームをどうつなげるかということに取り組んできました。その手法を少しずつ取り入れながら、自己組織化できるチーム作りを進めています。

 具体的にはスクラムのやり方を応用し、まず仕事の可視化をします。ホワイトボードやスプレッドシートに書き出して、お互いの持っている情報を共有するんです。そして2週間や1ヶ月という定期的なタイミングで定期的に振り返りをします。振り返りではいいことも悪いことも全部素直に出します。そのなかで次にチャレンジすることを決め、次のタイミングで結果を振り返り、また次のチャレンジを決めるということを繰り返すんです。

 全員が持っているタスクを一つずつ付箋に書いて貼り出していくと、ホワイトボードに貼りきれないくらい持っている人がいるんですよ。「完全に業務が溢れてるでしょ。誰か巻き取れないですか?」というようなことをやっていきます。

増村:仕事を溢れさせた本人にどうにかさせるのではなく、チームで対応するんですね。

石井:そうです。これは、プログラマーだけでなく多くの職種で使えるんですよ。今はみんなパソコンで仕事をしていて、隣の人が何をやっているかが見えなくなっているので。

増村:アジャイルとかスクラムと言われても分からない人もいますよね。

石井:僕はアジャイルとかスクラムとかは、社内では言わないようにしています。「このツールをやれば解決できます」みたいな入り方では、みんな懐疑的になっちゃうんですよ。代わりにPDCAって言います(笑)。PDCAならみんな知っているけど、実はちゃんとやっている人はあまりいないんですよね。

増村:今までやっていなかったことをやろうとすると、抵抗が起きたりしませんか?

石井:そこはこれまでの経験が生かせています。アジャイルの導入を、ソフトウェアの会社だけでなく、ハードウェアの会社でも、マーケティングチームやバックオフィスのチームに対してもやっていたんです。みんな最初は「できない」って言うんですけど、やってみて少しでも効果が出てきて「これいいな」と思ってもらえれば勝手にやってくれるんです。だから大事なのは最初のきっかけ作りですよね。

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