注目を集めるDX。そろそろ本質的な話をしよう
『デジタル・トランスフォーメーション(DX)』は多くの企業の興味の対象になっていますが、海外事例などを分析したものが多いですよね。そこで、実際に日本企業でDXに取り組んでいる事例企業として、実践者であるイーデザイン損保の桑原社長と、それを支援する私、Tigerspikeの根岸がそれぞれの立場から、これからの日本企業の本質を会場の皆様に共有できればと思います(根岸氏)
冒頭、セッションの目的・趣旨を、根岸氏はこのように紹介した。そのポイントは2つ。
1つは、既に業務に従事する社員やシステムなどの「レガシー(継承資産)」がある中でどのようにDXに取り組んでいくのか、そしてゼロからDXに取り組む場合、どのように始めるべきか。それぞれ日本企業には悩ましい課題である。
実際にそうした悩みを乗り越えつつ、DXの取り組みを進めているイーデザイン損保は、東京海上グループのネット系自動車損害保険会社だ。桑原氏は「設立10周年を迎え、業績は一貫して向上してますが、母体である東京海上日動と比べると売上規模はその1/30とまだまだ小さいといえます。ネット販売が当たり前になってきた現在、次の10年に向けて新たな『ネット損保』の価値を創出するべく、事業をデザインし直すことを考えている」と語る。
イーデザイン損保のDXにおけるパートナーであるTigerspikeは、世界10箇所に拠点を持ち、45カ国出身のスタッフが在籍するというグローバルな視点から、顧客の体験接点に重点を定め、「人に寄り添うデジタル・プロダクトを創る会社」として事業を展開してきた。2015年の秋からイーデザイン損保と接点を持ち、東京海上日動時代を含めて通算で4年間、DX推進の支援をしているという。