「物理的な場のデザイン」と「都市固有のデザインのDNA」
佐宗:デザインツールをオンライン上で公開したのは、世界中に影響力を拡大するという点で非常に意味がありますね。一方で、公開せずにデンマークのみで使うものにすれば、それはコペンハーゲンの強みになったとも思います。プラットフォームやツールを生み出すこと以外に、コペンハーゲンやDDCの役割があると考えたのでしょうか。
ベイソン:その通りです。DDCはNPOかつNGOですが、Ministry of Business & Economy(日本の経産省にあたる)が出資しており、その省の大臣によって指名される役員がいます。そのようなガバナンスのなかでも、2018年に政府は、このDDCの建物をオープンな場所にしようと決めたのです。その理由は「物理的な場所」、つまりコワーキングスペースを作り、コペンハーゲンを魅力的にすることで、“世界をここに持ってくること”が重要だと考えたからです。