製造業では、熟練工不足や多品種少量生産など課題解決に向け、IoTによるデータを活用した生産性向上の取り組みが進んでおり、通信の無線化に対する要求が高まっている。しかし、工場で既存の無線通信を使用するには、人やモノが動くことによる環境変化や、さまざまな機器から発信されるノイズなどの影響が多く、安定的で信頼性の高い無線品質を確保するためにはさまざまな検証が必要になる。
今回の実証実験で3社は、工場内での5G電波測定と伝送実験、5Gを活用した人と機械の協調による生産性向上にに取り組む。実証実験を通してめざすユースケースは以下の通り。
レイアウトフリー生産ライン
5Gの大容量、低遅延といった特長を活かし、生産設備を無線ネットワーク化するとともに、オムロンの自動搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robots)を組み合わせることで、工程ごとに切り離したレイアウトフリーな生産ラインの実現を目指す。
AI/IoTによるリアルタイムコーチング
5Gの大容量・高速性を活かして製造設備のデータや、作業者の作業動線や動きを撮影した映像データなどを収集し、AIで解析。熟練者との違いを作業者へリアルタイムにフィードバックすることで、生産性の向上と早期習熟をサポートし、モチベーションを向上させるような新たな人と機械の協調を目指す。