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なぜデータ分析を学んでも、ビジネスに結びつかないのか──柏木先生が語るAI時代のデータ活用リテラシー

ゲスト:データ&ストーリー代表 柏木 吉基氏

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なぜ目の前にある「データ」をすぐに“いじりだす”のか

タイトル柏木 吉基氏(データ&ストーリー代表、多摩大大学院ビジネススクール客員教授、横浜国立大学 非常勤講師)
日立製作所入社。MBAを取得後、日産自動車へ。海外マーケティング&セールス部門、組織開発部ビジネス改革マネージャ等を経て2014年独立。グローバル組織の中で、社内変革プロジェクトのパイロットを務め、経営課題の解決、新規事業の提案等、数多くの実績を持ち、これらを研修の強みにしている。著書:『問題解決ができる! 武器としてのデータ活用術 高校生・大学生・ビジネスパーソンのためのサバイバルスキル』『「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本』(日本実業出版社)、ほか多数の著書を持ち、多くのビジネス雑誌にも登場。現在は、企業や地方自治体などに向けた「データを武器とした問題解決スキルトレーナー」として活躍中。

──なぜ多くの企業は、二つ目の作業から始めてしまうのでしょうか。

柏木:主な原因は「解くべき問題が明確になっていないこと」と、とりあえず目の前にはまず作業を始められる何かしらのデータと作業環境があることです。その状態でデータ分析を始めると、定義した問題とデータが一致せず、導き出される結論と行動が間違ったものになります。データ分析から始めてしまう人は、「目の前のデータを適切に加工すると、何か有用なものが見えてくると思っている」と考えています。

タイトル

柏木:企業研修の中で、データ活用のレベルは三つあるなということを理解しました。一つ目は「グラフありき」で、関係しそうなグラフをかき集めてそこから何が言えるかを考える状態です。二つ目は「データありき」で、グラフそのものを集めるよりは進歩がありますが、とにかく関連しそうなデータからグラフを作成して、そこから結論を導いているので、結果は一つ目と大差がありません。そして、私が今回の著者で「データ分析・活用」はまずここから始めようと提唱しているのが、「目的ありき」です。

 この「目的ありき」でデータ分析・活用を開始するためのプロセスを以下にまとめました。

タイトル

柏木:今の段階で、このプロセスの詳細はわからなくて大丈夫です。概ねこのようなプロセスを辿るぐらいで結構です。

 このBとCのプロセスは、さきほども話題にした「データから始めてしまう」ことの真逆の発想で、「データを使って一体何を知りたいのか」「それがわかると何が良いのか」を具体的に定義します。また、その結果生じる「定義した問題と使っているデータが一致しない」ことがないように、指標を特定します。

 まずは、最初のプロセス「目的・問題定義」(BとC)に関して、多くの企業で課題として挙がる「働き方改革」関連の話題を例に説明していきましょう。

 目的(B)を「有給取得日数の改善」として、その指標(C)を「有給の取得状況の状況」とした企業があったとします。この設定は正しそうですが、間違ってそうですか?

──うーん、正しそうに感じますが、何か具体性に欠くというか、あまり次の作業のイメージがわかないですね。

柏木:そのモヤモヤを私なりに解説するとポイントは二つあります。まず目的部分の、「改善」という言葉です。目的部分の言葉に具体性がないと、改善という言葉に対して複数の解釈が出てしまい、選ぶ指標がそもそも違うという問題を発生させます。「改善」という言葉一つを取っても、「もっと多くの人に有給を取ってほしい」のか「一人当たりの有給取得日数を増やしたいのか」「連続した日数を取得しやすいようにしたいのか」まだまだ解釈の余地が残ります。その認識によって、見るべきデータも変わってくるはずです。

次のページ
現状を把握し評価する際に必要な「比較」とは

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