ふたたび問う、AI時代にヒトに必要なリテラシーとは?
──最後に柏木先生からのメッセージをいただけますか?
柏木:では、本日説明した「データ活用プロセス」を振り返り、また、なぜ私はデータ活用リテラシーが今後より重要になっていくと考えているかをお話ししますね。
今までお話ししたことが、「データ活用リテラシー」です。言い換えれば、目の前のデータから(たまたま)読み取れたことだけに頼ることなく、自ら目的や問題を定義し、必要なデータや分析する範囲を、いかに広い視野でデザインするのか。データ活用のデザイン力が重要だということです。よくある間違いですが、「データ→結論」ではなく、「目的→データで確認」の順番が重要なのです。
柏木:そして、最後に皆様にお伝えしたいことがあります。データ活用に限らず、「AI やデータサイエンス、高度な機械が目の前に既にある時代に、人が価値を生み出し、生き残るために本当に必要なスキルは何か」という問いへのヒントです。冒頭に示した三つの箱の二つ目(データ分析作業そのもの)は、極端に言えば、必ずしも人間が行なわなければならない作業ではありません。機械のほうが正確に速く作業します。では、人間は何をするのか? データ活用に関して言えば、明らかに、一つ目の作業と三つ目の作業をヒトが担うべきなのです。
私は横浜国立大学や多摩大学大学院で大学生・社会人大学院生に教えています。時折、高校生向けにデータ活用の授業なども行ないます。そこで感じているのは、AI時代に、社会人に限らず学生でも持つべきスキル・武器の一つは、今回説明した、「データ活用リテラシー」だと確信しています。ぜひ、その扉を開いてみてください。
【柏木先生の講座紹介】
- 講座名:柏木先生に学ぶ、実務家のための「データ活用」徹底実践講座
- 日時:2020年1月22日(水)13:00~17:00(受付開始は12:40)
- 場所:株式会社翔泳社 セミナールーム 〒160-0006 東京都新宿区舟町5
- 参加料:60,000円+税 ※柏木氏著書『武器としてのデータ活用術』+「講座テキスト代」含む
- 詳細・申込:講座詳細ページへ
【柏木先生の著書『武器としてのデータ活用術』目次】
- 第1章 これからの時代に求められるデータ「活用」リテラシー
- 第2章 本当に正しい問題を正しいデータで解いていますか?
- 第3章 「これが問題なんです」ってデータでどう言えば良いの?
- 第4章 結果だけが言えればそれで良いの?
- 第5章 世の中「方策君」ばかり
- 第6章 情報サマリー力で「すなわち……」を言えるようにする
- 第7章 「データで問題解決できる」という幻想
- 第8章 個人と組織のデータ活用力を高めるために