20年以上取り組み続けてきた日産の“Connected”とは?
コネクテッドカーとは「ICT機能を搭載したクルマ」と定義されている。CASEの他の3つも常にネットワークに“Connected”している車を想定していることから、コネクテッドカーが最もコアとなる技術である。新しいテクノロジーと思われがちではあるが、上田氏は「車のオンライン化は、実は98年から取り組んでいます」と語る。
1998年にオペレーターサービスを中心とした「コンパスリンク」というサービスを開始した日産自動車は、2010年からは100%電気自動車のリーフを販売している。電気自動車を購入する際にユーザーが気にするポイントのひとつに「自宅からどこまで無充電で行けるのか」ということが挙げられる。同社は当初、走行可能距離の円を描き、それを走行できる距離の目安として伝えていた。しかし、地形や高低差、交通渋滞などが加味されていないため、実際の走行距離との差が生じてしまうという課題があった。
時代を経るごとに“Connected”は進歩し、電気自動車の多くはインターネットに常時接続されるようになった。リーフがどこをどんな状態で走行しているのかといったトラッキングデータを収集することで、バッテリーの状態を可視化することができるようになったのだ。そのため、現在では、膨大なトラッキングデータをもとに、近隣のユーザーは実際にどこまで走行できたかという実績をデータで提示できるようになったのだという。
20年以上にわたり開発を進めてきたコネクテッドカー分野であるが、ここ数年でその技術革新は目覚ましい発展を遂げている。その理由として上田氏は「自動車の楽しみ方が変わりつつあることに起因している」と述べた後、同社が2019年夏に発表した、国産車で初の自動車専用道路上での手放し運転を可能したプロパイロット2.0の技術を紹介した。