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リモートワーク成功の鍵はITではない──性善説の組織文化とフォロワーシップと情報の見える化とは?

ゲスト:株式会社オトバンク 代表取締役社長 久保田裕也氏【前編】

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 2016年10月、オトバンクは全社員を対象にフレックス制度のコアタイムを廃止し、リモートワーク制度を導入した。その際、心身の疲労やトラブルに巻き込まれるリスクを軽減する目的で“満員電車通勤禁止”を打ち出したことが話題になった。それ以降、社員が自律的にパフォーマンスの出る働き方を考え、時差出勤やリモートワークをしてきたという。

従業員が効果的な働き方を“自律的に選択できる環境”を整える

──「社員を満員電車に乗せない」という考え方は、新型コロナウイルスへの感染が危惧されている現在なら理解されやすいでしょうが、2016年当時はどうでしたか。

久保田 裕也氏(株式会社オトバンク 代表取締役社長、以下敬称略):「羨ましい」とは言われましたね。

──「うちもやろう」という会社は。

久保田:それは、聞いたことがないです。

──やっぱり。当時、リモートワークに関しては1年ほどテスト運用をし、その結果「ルールはなるべく作らず、各自のやり方に任せる」方針だと聞きました。新型コロナウイルスの問題が起きる前は、どのくらいリモートワークが活用されていましたか。

久保田:毎日3割から5割くらいの人がリモートワークをしていたんじゃないでしょうか。オトバンクは成果による評価をしていてリモートかどうかは特に問題にしていないので、「リモート率何%」みたいな数値を取得したことがないんですよ。

──リモートワークをする職種に傾向はありますか。

久保田:ものを作る人たちが多いですね。開発やデザインはもちろん、オトバンクの場合は音の制作もあります。収録は別として、音源の確認や編集など、ほとんどのプロセスは周りに人がいないほうが集中できるので捗るのかもしれません。制作の追い込みの時期になるとあまり会社に来なくなる、という人もいます。

──一連のプロセスの中でも、出社してやったほうがいいことと、リモートのほうが捗ることと、自分で判断して決めているわけですね。

久保田:自分で考えてもらうことが一番大事だと思っています。「自分のパフォーマンスを最大化するために、自分で働き方を決めてください」というのが、リモートワークやフルフレックスを導入するときの、僕からのオーダーだったので。

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