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「大企業による新規事業」のリアル

LIFULL SPACE奥村氏が語る、新規事業を次々に生み出すために必要な“資質”と“文化”

第11回 ゲスト:LIFULL SPACE 奥村周平さん

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 新規事業開発に携わる方へのインタビューを通じて、大企業内の新規事業開発における美学を探る本シリーズ。今回のゲストは、株式会社LIFULL SPACE代表取締役の奥村周平氏です。  LIFULL SPACEは、2013年に株式会社LIFULLの新規事業として誕生し、2015年に子会社化された企業。奥村氏が新卒2年目のときに社内新規事業提案制度である「SWITCH」で優秀賞を受賞したアイデアから生まれました。今は「SWITCH」の審査員・アクセラレーターもなさっている奥村氏と、本気ファクトリー株式会社代表取締役の畠山和也氏が、LIFULLで多くの新規事業が生まれている理由と新規事業を生み出しやすい条件について議論しました。

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“SPACE”にまつわる事業を幅広く行うLIFULL SPACE

畠山 和也氏(本気ファクトリー株式会社 代表取締役、以下敬称略):LIFULL SPACEはトランクルームのポータルサイトを運営されていますね。加えて貸し会議室や収納スペースのシェアリングサービスも手掛けられています。事業の成り立ちをもう少し詳しく教えてください。

奥村 周平氏(株式会社LIFULL SPACE 代表取締役、以下敬称略):LIFULL SPACEは2015年にLIFULLから子会社化されましたが、事業は2013年から始めています。当初は、「LIFULLトランクルーム」というトランクルーム検索サイトのみを行っていましたが、幅広く事業が行えるようにとLIFULL “SPACE”という社名にしたこともあり、貸し会議室のポータルサイトや収納スペースのシェアリングサービスも始めました。

畠山:その1つが遊休スペースを持つ個人・法人と、荷物を置きたい人をマッチングする、「収納シェア」サービスの事業ですね。ヤマト運輸株式会社と共同で、ヤマトの事業所内の空きスペースを収納スペースとして個人・法人向けに貸し出すという新しい取り組みを、2月からスタートさせたと聞いています。ヤマト運輸という手堅いところと組めたのは大きいですね。一般的にシェアリングエコノミーの事業に関しては、実施に慎重になる上場企業もあるので、実現できているのはすごいと思います。

奥村:「収納シェア」のサービスは、本社や弁護士さんとも相談して連携して、取り組んでいます。近年はシェアリングエコノミーのサービスへの理解も深まりつつあり、様々な整備をした上で、スタートアップと大企業との協業・連携の取り組みは世の中を革新するうえで必要なフェーズだと思っています。

畠山:それがすごいと感じます。一般的な上場企業であればやるなと言われてしまうことも多いでしょう。非公開でのPoC(概念実証)すらできないのではないでしょうか。

 私が立ち上げに参画していた、大企業向け新規事業コンサルの会社があるのですが、そこでは他社のPoCを自社事業として受託してくるビジネスをやっています。つまり、PoCを社内でやるのは無理だからと、別会社にやらせるということです。そのぐらい、今の大企業というのは慎重なんですよね。しかしLIFULLでは社内でできる。チャレンジできる文化があると感じます。

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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