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新しい金融のカタチ

金融業界で進行する付加価値の移行──「手数料最安」の終焉と顧客体験による価値創造

第1回

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「手数料」という機能便益による差別化の終焉

 金融業界の歴史を振り返ると、1980年代まではいわゆる対面営業を中心とする伝統的な金融機関のみが存在していました。しかし、1990年代に入ると、例えば証券業界では松井証券が1998年に国内で初めて本格的なインターネットでの取引サービスを開始。2000年代から様々な会社が参入し、“オンライン”のネット証券市場を拡大していきます。

 こうしたネット証券の競争の高まりにより、手数料の引き下げと機能の拡充(証券会社でいえば、特殊注文や高機能チャート等がそれにあたります)が急速に進んでいきました。

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この記事の著者

伊藤 祐一郎(イトウ ユウイチロウ)

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