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SurveyMonkey:サーベイで会社のカルチャーを変える

サーベイモンキー /デイモン・クロンキー氏インタビュー

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インターネットを活用したサーベイが今、静かなブームである。 自社の市場での評価を知るためにSNSなどを駆使する「ソーシャル・リスニング」や、「従業員エンゲージメント」などが、ビジネスと会社を変えていくための有効な手段として導入されている。 一昔前までは、「調査」といえば、専門の会社やコンサルタントが絡んで、大掛かりで長期のプロジェクトになることが多かった。このサーベイの世界に、クラウド・コンピューティングの俊敏性を持ち込んで成長しているのが、米サーベイモンキー社(以下SurveyMonkey)である。 SurveyMonkeyは、シリコンバレーでは有名なアンケート・リサーチのためのWebサービス企業。同社が提供するクラウド型アンケートサービスは、米国Fortune500の99%の企業が導入している。今回、副社長デーモン・クロンキー氏がSalesforceとの連携サービスの発表のために来日した。シリコンバレーでの、同社の成長の経緯や、アンケート調査が会社を変えることにどう役だっているかについて話をうかがった。

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SurveyMonkey 副社長 デイモン・クロンキー/ VP マーケティング L・ベネット・ポーター

-- SurveyMonkeyは、フリーミアムの先駆的企業だと思いますが、そもそもどういう背景でスタートしたのでしょうか?

デイモン: SurveyMonkeyは全世界で1500万ユーザーを擁するウェブサービスですが、設立は1999年で、シリコンバレーでは既に歴史のある企業だといえます。当時はまだ学生だった創業者のライアン・フィンレイが作ったアンケートツールから始まっています。当初はライアンが一人で開発し仲間や友人に無償で配布していました。非常にシンプルかつパワフルだったため、企業が使うようになったのです。 今では流行語となったフリーミアムですが、そのビジネスモデルを最初に実現していたのです。当時は12人ぐらいのチームでエンジニアも数名、カスタマーサポートにもあまり人をさけなかったため、お客様からの質問を最小限にしたいという事情から、サービスシンプルなものにしていました。気軽にアンケートを作って配布するというシンプルなサービスです。結果として、そのシンプルさが多くのユーザーに支持されました。 今では、DropBoxやEvernoteをはじめ、フリーミアム型のビジネスアプリケーションがありますがSurveyMonkeyがその先陣を切った会社だったのですね。

-- 急成長の鍵は、何だったのでしょうか?

デイモン: 会社としては最初から黒字だったのですが、10年たって、次の10年を拡大していこうとしてリーダーシップが変わったのです。 その後、2009年に現CEOのデイブ・ゴールドバーグが投資家グループと一緒に経営支配権を持ち、急成長しました。
彼はマーケティングの仕事の中でユーザーとして、SurveyMonkeyに接し、ツールとしての可能性を感じ、「アントレプレナー・イン・レジデンス」(起業家として企業の中に入って事業の立ち上げのサポートをおこなう)として、参加しました。 SurveyMonkeyは、最初から利益が出ている会社でしたが、スケールアウトしていなかった。チームが成り立っていなかったのです。「ダイヤの原石のような会社を見つけた」と思ったそうです。 デイブはそれまで音楽関係のメディアにいました。彼が言うにはそれまではテクノロジーと無縁な業界が、インターネットにより破壊的な変化を遂げたという点で、音楽とリサーチの業界構造が似ているのだそうです。
2009年の時点で、デイブはすでに「データドリブン・エコノミー」の到来を予見していました。データに基づいた経済にシフトしていく中で、SurveyMonkeyのビジネスモデルは、かならず成功すると感じ、プライベート・エクイティの会社と一緒に買収したのです。 デイブがリーダーとなっておこなったことは、たくさんあります。もともとエンジニアが2人にサポートの10数名の体制から、よりしっかりしたチームを確立すること。スタートアップの経験者と大企業の経験者をまぜること、 スケールアウトさせること。10年間作ってきたインフラを作り直し、APIをオープン化して、プラットフォーム化させることなどです。

-- アンケート調査のプラットフォームということですね。

デイモン: 今までのエンタープライズのソフトというと、使うまでにトレーニングを受けなければいけなかったのですが、SurveyMonkeyはすぐに使えるという点が、好評を得た理由です。 今は、エンタープライズバージョンを出しており、APIを公開してSalesforceとも連携し、CRMでのアンケート調査や顧客データの分析にも使われています。アンケートの結果を瞬時に、グラフで表示できます。 たとえばカスタマーサポートの分野では定評のあるZendeskとも連携するなど、それぞれの専門分野のシステムと補完関係でプラットフォームとしてどんどん拡張していきます。

-- 具体的な用途としては、どのようなものが多いのですか?

デイモン: 用途としては、顧客満足度調査が一番、次が従業員満足度調査です。 どちらも従来なら、膨大な予算をかけたものでした。アメリカの場合、年に一度、大掛かりな従業員調査をやる会社が多いのですが、結果のレポートを受け取るのに数ヶ月かかることが多くあります。結果が出る頃には社内や社外の環境が変わってしまっているということも往々です。 またアンケート調査の項目の設計も外部の専門に頼らざるを得なくて時間がかかっていたのです。 これに対して、SurveyMonkeyはテンプレートがあるのですぐに作れて、結果も瞬時に表示できる。調査がすぐに行えるということは、会社が社員や顧客の声を耳を傾けるという点で重要なのです。

-- どのような効果があるのでしょうか?

デイモン: 数時間で結果が出るため、社員のエンパワーメントに効果があります。調査によれば、社員の声が、経営に届いていると社員が感じていることにより、モチベーションがあがるという結果が出ています。 1年に一度の全般調査は今でもおこなわれていますが、SurveyMonkeyを使うことで、そこから出てきた個別の課題に対してより具体的に細かな調査を四半期に一度かける企業も多くあります。 たとえばSurveyMonkey自身の場合だと、通勤の条件、ヘルスケアに関して具体的に何を望んでいるか、どういう人が問題を感じているかなどについて、常々調査しています。 会社の「社員の声を聴く」という姿勢が、ロイヤリティを高めるのです。

-- 「ウォー・フォー・タレント」(人材育成競争)という言葉もありますが、人材維持の防衛手段としても大事ですね。

シリコンバレーはテクノロジーのハブであるのと同様に、人材マネジメントでも最も先進的な場所です。 シリコンバレー企業は、従業員維持のためのベンチマーク調査として、従業員満足度や競合との比較をおこないます。 以前、シリコンバレーの会社の人材マネジメントについておこなった調査では、5つの条件、ひとつは報酬で、残りはカルチャーでした。 体験をさせること、会社が声をかけてくれること、自分の価値が認められていること、より良い環境などの要素でした。社員の不満の要因を調べてみると、不満の大半は、会社が認めてくれていないとか、フィードバックが少ないとか、チャンスが与えられないなどの要因だったのです。こうした従業員の気持ちをくみとるために、サーベイが必要なのです。より具体的に細かい調査をこまかくおこなうことが、こうしたカルチャーの変革につながる。従業員エンゲージメントの重要な指標です。

--調査が多すぎると、社員に面倒をかけるということはないのですか?

われわれの会社では、ヘルスケアから社員の椅子の選定にいたるまで、アンケートをとりますが、多すぎるという声は聞かれません。大事なのは、おこなった調査に対して、きちんとアクションをとるということです。 結果に対してアクションをとらない調査は、逆効果になります。

--CEOのデイブ氏は、『リーン・イン』という本でも有名なフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさんの夫ですよね? SurveyMonkeyでの女性のワークスタイルはどのようなものですか?

SurveyMonkeyのエグゼクティブの4割が女性です。CTOも女性です。シリコンバレーは女性活用は進んでいますが、エンジニアリングのトップが女性という会社はまだ少ないのです。彼女が採用されたのは6ヶ月の妊娠の時でした。CFOも育児休暇を経て入社した人です。SurveyMonkeyのカルチャーはオープンなものです。とくに女性を登用しようと意識して登用しているわけではなく、ワークライフ・バランス、ジェンダーバランスなどすべてに対して自然に取り組んでいるので、自然に女性が集まってきます。

今回「SurveyMonkey for Salesforce」の他、これまでフリーミアムサービスでも提供してきたアンケート設計や配布、分析、専門家作成の設問テンプレートの基本サービスに加え、エンタープライズ版をローンチした同社。日本でも今後、営業支援、CRM、従業員満足度、マーケティング等の分野で、クラウド型のアンケート調査が注目される可能性がある。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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