アクセンチュアは、1,100人(日本企業は125人)の上級役職者を対象としたグローバル調査ならびに公開されている財務データに基づき、最新調査レポート「Fast Track to Future-Ready Performance」(英語のみ)を作成。このレポートでは、業務オペレーションの成熟度が段階的に評価されており、最も高い成熟度を持つ企業は「未来型企業」と定義されている。成熟度が高いほど人工知能(AI)、クラウド、データアナリティクスなどデジタルの能力が高い傾向にあった。
今回の調査において、未来型企業と定義された企業は約7%に留まった。未来型企業は、昨今の不確実な経済状況にも関わらず、同業他社と比べて約2倍の効率性と3倍の収益性を実現していることが分かっており、段階的な改善から大規模な変革へと方向転換しながら、デジタル変革やオペレーティングモデルの再構築に注力している。
今回の調査で、多くの企業は業務オペレーションの強化を進めているものの、93%の企業には取り組むべき余地が残されており、業務オペレーションの成熟度を1段階でも引き上げることで利益を拡大できることがわかったという。2020年に成熟度を1段階引き上げた企業は、平均して売上高1ドルあたりの営業費用において7.6%の効率化を実現しており、収益に対するEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の割合が2.3%増加しています。アクセンチュアは、93%の企業が業務オペレーションの効率化を実現することで、世界で5.4兆米ドルの経済価値が生まれるとしている。
未来型企業が注力している主な領域
- クラウド:未来型企業のうち、90%は大規模なクラウド基盤を構築しており、78%はクラウド価値を最大化するために、活用領域のさらなる拡大を検討している。
- マシンインテリジェンス:未来型企業の71%は、テクノロジーによる従業員の能力強化に向け、AIやデータサイエンスを本格的に活用している。未来型企業の63%は、2023年までにさらに広範な業務にAIを組み込む計画を立てている。
- 大規模な自動化:未来型企業の67%が首尾一貫したデジタルプロセスを構築しており、58%は最先端のテクノロジーを継続的に導入している。
- スマートなデータ活用:未来型企業(52%)は、未来型に該当しない企業(5%)に比べて10倍以上の割合で、本格的にアナリティクスを活用している。
- 俊敏性を備えた労働環境:未来型企業の34%は、労働環境に俊敏性をもたらす戦略を本格的に実行しており、エコシステムパートナーとの連携を通じて幅広い人材層へのアプローチを可能にすることで、必要に応じて社外の専門家の協力を得る体制を構築している。