VC市場の生態系:CVCとファンド・オブ・ファンズ

パネル「VC市場のエコシステム、CVCの知られざる活躍」

 ベンチャー創造協議会や経済産業省が主催した「新事業創造カンファレンス&Connect!」のパネルディスカッションに、世界的なファンドで活躍する4人が登壇。本講演の前に行われた基調講演(前回の記事)では、CVCのメリット、デメリットが語られたが、このパネルでは、ベンチャーキャピタルのみに投資するファンド・オブ・ファンズも含めたVC市場の生態系や、企業とベンチャーが手を組んでイノベーションを生むために欠かせないコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の役割と、それを実践するためのヒントを語った。

[公開日]

[講演者] Jessica Archibald George Arnold Alastair Breward Chris Erickson [取材・構成] 宮本 裕人 [編] BizZine編集部

[タグ] スタートアップ ビジネスモデル ファイナンス ベンチャー

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ファンド・オブ・ファンズは「大きなレンズ」

司会:
まず最初に、それぞれ自己紹介をお願いします。

ジェシカ・アーチバルド(以下、ジェシカ):
 ベンチャーキャピタルだけに投資をしているファンド・オブ・ファンズ「Top Tier Capital Partners」のマネージング・ディレクターです。1990年に立ち上がったファンドで、サンフランシスコに拠点を設けています。

ジョージ・アーノルド(以下、ジョージ):
 同じくファンド・オブ・ファンズ「Knightsbridge Advisors」でマネージング・プリンシパルを務めています。1980年代始めにロンドンで立ち上がったファンドです。

アリステル・ブルワード(以下、アリステル):
 「Amadeus Capital」でCOOをしています。イギリスをベースにしており、ITやテクノロジー関連の企業に投資しています。

クリス・エリクソン(以下、クリス):
 14年前に立ち上げられた「Pangaea Ventures」のジェネラル・パートナーです。エネルギー、エレクトロニクス、ヘルスケア、サステナビリティ分野を中心に投資しています。

ファンド・オブ・ファンズの市場における役割

司会:
 最初の質問は、ジェシカさんからお願いします。ファンド・オブ・ファンズの市場における役割を教えてください。

ジェシカ・アーチバルドTop Tier Capital Partners マネージング・ディレクター ジェシカ・アーチバルド

ジェシカ:
 私たちはファンド・オブ・ファンズとして、パフォーマンスの優れたファンドを見つけて投資をしています。つまりリターンが集中しているかどうかを判断して、投資家に対して良い投資の場所を確保しているということを自らの役割と考えています。

 また投資家に対してベンチャーキャピタル界で起こっていることをアドバイスし、エクスポージャー(投資家が抱えるリスク)を減らすこともファンド・オブ・ファンズの役割です。

 言ってみれば、「ベンチャー業界においての大きなレンズの役割」を果たしていることになるでしょう。投資をそれぞれのバスケットに分散させて行うのではなく、ひとつの大きなバスケットにいろいろなものを入れて行うということです。

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