ファンド・オブ・ファンズは「大きなレンズ」
司会:
まず最初に、それぞれ自己紹介をお願いします。
ジェシカ・アーチバルド(以下、ジェシカ):
ベンチャーキャピタルだけに投資をしているファンド・オブ・ファンズ「Top Tier Capital Partners」のマネージング・ディレクターです。1990年に立ち上がったファンドで、サンフランシスコに拠点を設けています。
ジョージ・アーノルド(以下、ジョージ):
同じくファンド・オブ・ファンズ「Knightsbridge Advisors」でマネージング・プリンシパルを務めています。1980年代始めにロンドンで立ち上がったファンドです。
アリステル・ブルワード(以下、アリステル):
「Amadeus Capital」でCOOをしています。イギリスをベースにしており、ITやテクノロジー関連の企業に投資しています。
クリス・エリクソン(以下、クリス):
14年前に立ち上げられた「Pangaea Ventures」のジェネラル・パートナーです。エネルギー、エレクトロニクス、ヘルスケア、サステナビリティ分野を中心に投資しています。
ファンド・オブ・ファンズの市場における役割
司会:
最初の質問は、ジェシカさんからお願いします。ファンド・オブ・ファンズの市場における役割を教えてください。
ジェシカ:
私たちはファンド・オブ・ファンズとして、パフォーマンスの優れたファンドを見つけて投資をしています。つまりリターンが集中しているかどうかを判断して、投資家に対して良い投資の場所を確保しているということを自らの役割と考えています。
また投資家に対してベンチャーキャピタル界で起こっていることをアドバイスし、エクスポージャー(投資家が抱えるリスク)を減らすこともファンド・オブ・ファンズの役割です。
言ってみれば、「ベンチャー業界においての大きなレンズの役割」を果たしていることになるでしょう。投資をそれぞれのバスケットに分散させて行うのではなく、ひとつの大きなバスケットにいろいろなものを入れて行うということです。