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DX推進のボトルネック「DX人材不足」を解消する、データ/AI人材確保のベストプラクティスとは?

Biz/Zine Day Summer レポート vol.04

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AI開発・活用のベストプラクティス「DSコミュニティ活用」

 それでは、どのようにしてAI開発および活用を行っていけばよいのか。平原氏は、その前に押さえておきたいこととして、「どんな開発・制約条件下でも精度がでる汎用的なAIはない」と語る。AIをビジネスで活用するには何か業務やプロセスに特化した特化型のAIであることが前提となる。つまり、似た業態や業種のユースケースやビジネスルールによって、オペレーションやプロセスなどが違えば、最適化の条件が必ず異なる。そこで自社のビジネスのデータや制約事項を考慮して、個別に検討・開発する必要があるというわけだ。

 そして、ベンダーによって抱えている人材や得意領域が異なることも注意が必要だ。画像や音声、テーブルなどデータ特化型の開発ベンダーもあれば、業界特化型のソリューションベンダー、開発ツールや開発プラットフォームの提供型のベンダー、コンサルティング専門というところもある。これらの得意領域を意識しながら、自社に向いたところを選ぶことが大切だ。

 平原氏は「自社ビジネスの特徴を踏まえて、適切な共創パートナーを選ぶことが重要」と改めて語り、その意味で、自社に最適なAI開発を行うためのベストプラクティスの1つが、「データサイエンティストコミュニティの活用」であると強調した。

 データサイエンティストコミュニティとは、Kaggle(Google)などのように、世界中の機械学習・データサイエンスに携わる人々のコミュニティのことだ。どうすればいいAIモデルがセットできるのかなど議論がなされ、日々新しいアルゴリズムや特徴量設計の手法などの情報交換が行われているコミュニティでは、自社の課題やデータセットを提供することでコンペティションを開催しており、コミュニティに属しているメンバーが競ってアウトプットを出してくれる。当然ながら報奨金などが必要になるが、様々なデータサイエンティストが1つの課題に対して、異なるアプローチでAI開発をしてくれるというわけだ。

 このコミュニティを使って行ったAIモデル開発は“ベストプラクティス”であるといわれている。その理由として、平原氏は「多彩な人材が集まるプールから、クラウドソーシング的に最適な人材を選定できること」、「オープンイノベーションによって、革新的な開発を生み出せること」、そして、最大のメリットとして「DSのバイアスを回避しつつ、数千の異なるアプローチを短期間で比較できること」を挙げた。DSのバイアスとは、内部で限られたデータサイエンティストで行うと、その人数で課題へのアプローチやアルゴリズム選定などの偏りが生じてしまうことを指す。その結果、この課題に対してはこの方法……とバイアスがかかり、それ以外の「もっと良い可能性があるアプローチ」を切り捨ててしまう傾向があるのだ。

 改めて、平原氏は「AIモデル開発のベストプラクティスはDSコミュニティの活用にある」と述べ、「激変する時代をDXで打ち勝つためには、データドリブンな施策に一刻も早く着手し、データ/AIが循環するサイクルを作ることをお勧めする。そこで難しい人材不足を補うには、事業部門のデジタルリテラシーの向上や人材の獲得の他に、外部パートナー利用を適切に活用することが大切。中長期で共創できるパートナーを見つけ、有効活用することが、人材リソース不足を解決する1つのカギだ」と語った。

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マクニカのDXコミュニティが人材リソース不足を解消する

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