赤ちゃんのうつぶせ寝や発熱、火災などの検知にも活用可能な映像エッジAI
──現在は人や車をカウントするアプリが多いのでしょうか。
松井:いえ、アプリにはカウント目的以外にも様々なものがあります。たとえば、「赤ちゃんうつぶせ寝検知」というアプリです。乳幼児突然死症候群との関連性も指摘されている赤ちゃんのうつぶせ寝によって、保育園や託児所で不幸な事故が後を絶ちません。もちろん赤ちゃんにセンサーを取り付けて対策している施設もありますが、そういった方法ではセンサーが人数分必要ですし、寝ている間にセンサーが取れてしまうと機能は使えません。
このアプリでは、1台のカメラで8人ほど、赤ちゃんの顔の位置と向きを検出してアラートを出すことができます。仰向けに寝ていると、画面上では緑の表示が出てアラートは立ちませんが、うつ伏せになると赤い表示が出ます。この場合、AIが保育者のLINEにアラートを送ることができます。このアプリをうまくご活用いただければ、悲しい事故を未然に防ぐことができると考えています。
また、サーマルカメラを利用して顔の表面温度を検出して体温が37.5度を超えているとアラートが出るアプリ「VAAKEYE+発熱検知」も用意しています。これを出入り口に設置して発熱しているかもしれない人を検知し、警備員の方やガードマンにアラートを通知して、店舗内等に入る前に体調をお伺いするような使い方もできます。
炎や煙を検知する「現場の炎と煙」というアプリもあります。大規模な火災を検知するものは、現在、工場や建設現場で使っていただいています。また、そこまで大規模ではない火災に関して、本格的に燃え上がる前の煙を検知するようなアプリが出る予定です。100%検知できるとはいえないのですが、人がほとんど行かないような場所や文化財の周りにご活用いただければ、監視業務の負担軽減をしていただくことが可能になります。
また、侵入検知と同じアルゴリズムを使った、徘徊者の探知用のアプリや、置き忘れしたものを検知するためのアプリなど、様々なアプリが出てきていますし、今後も次々と出てくる予定です。
重留:侵入検知のアプリは、枠の中に誰がどれくらいの時間滞在したかの情報が取れるというものです。たとえば、あるショーウィンドウの前に枠を置いて、どんな顧客がどんな行動をしていたか、というマーケティングデータとして役立てるなど、アイデア次第で様々な使い方もできると考えています。