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日産と早稲田大学、モーター磁石からレアアース化合物を回収するリサイクル技術の実用化へ実証実験を開始

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 早稲田大学と日産自動車は、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を高純度で効率良く回収するリサイクル技術を共同開発し、2020年代中頃の実用化を目指した実証実験を開始したと発表した。

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 日産自動車は、2017年より非鉄金属のリサイクルと製錬に関する研究で高い実績のある早稲田大学創造理工学部の山口勉功研究室と共同で、同校の大型炉設備を使用し、電動車用のモーターの磁石からレアアース化合物を回収する研究を開始。2019年度には、高温で融体を取り扱う「乾式製錬法」により、モーターを解体することなく、高純度なレアアース化合物を効率よく回収する技術を確立している。

 両者が開発したリサイクル技術のプロセスは、以下の通り。

  1. 加熱溶融を促進する銑鉄(せんてつ)、鉄の融点を下げる加炭材を加え、1,400℃以上に加熱した炉でモーターを溶融
  2. 酸化鉄の添加により溶融液中のレアアースを酸化
  3. レアアース酸化物を溶かすため、ホウ酸塩系のフラックスを少量添加
  4. 「レアアースを含んだ酸化物層」と、より密度が大きい「レアアースを含まない鉄-炭素合金層」を分離
  5. 上層に分離された酸化物層から、レアアース化合物を回収

 このリサイクル技術では、レアアース酸化物を少量、低温で溶融することができ、高い割合で回収できる安価なホウ酸塩系のフラックスを採用している。実験では、この方法によりモーターに使用されたレアアースの98%を回収できることが確認されたという。また、磁力を取り除く作業や、磁石を分解して取り出す作業が不要となるため、プロセスを簡略化することができ、従来の方法と比べ作業時間を約50%削減することが可能となる。

 今後は、実用化を目指した実験を続けると同時に、使用済み電動車に搭載されたモーターを回収し、リサイクルするスキームの構築を進めていくといしている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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