「インターネット前提社会」でわたしたちは。
村井氏が語るテーマは「大学とテクノロジー」。ミスターインターネットと呼ばれた男は、今、若者に向けて何を伝えるのか。
「基本的には、わたしが普段思っていることしか話さない。」そう言って、村井氏は話し始めた。
インターネットの開発に長らく世界的に関わってきた村井氏の理想は、インターネットが世界中につながること、そして、そのインターネットに全ての人が参加できる世界をつくることだ。
現実としては、まだまだ道半ばではあるが、一方で、そのイメージはできあがっている、という。
ここで、村井氏は、最新のフルコンピュータのサイズを紹介する。
これは、去年のインテルの発表があったSDメモリと同じ形をしたフルコンピュータです。これには、ネットワークデバイスもメモリもCPUもすべてついています。フルコンピュータがデジカメに入っているメモリと同じサイズになったのです。
それに感心をしていたら、今年のフェスで、インテルは「キューリー(Curie™)」を発表しました。キューリーは小さなボタンぐらいの大きさです。このボタンサイズのものが、インターネットにつながって、きちんとしたプロトコルを全部しゃべるんです。みなさんが持っているラップトップコンピュータ、PC、それと同じ機能を全部持っているのです。ということは、です。どんなものにも組み込めるようになるっていう未来がすでにわかっているんです。
例えば、メガネのツルに電池とフルコンピュータを搭載し、それで、全ての人、あらゆるものがインターネットにつながり、そして、それぞれが無限にデータを吐きはじめる。このような現実がすでに目前にある。
そして、村井氏は、今、一番面白いことは「インターネットが前提になった社会で、この先どうしていくのか?」だという。
村井氏は、続けて、データやインターネットが自由に使えるようになった社会で起きている変化と、その社会でどう生きていくべきか、を若者に向けて語った。