常に変容する組織でアイデンティティを生む「社交」とは
佐宗:パラレルワールドという発想は、哲学者のマルクス・ガブリエルの新実在論でも言われていますし、特にデジタル化するこれからの世の中ではなおさら大事になる考え方だと思います。社会インフラのデジタル化が進むにつれて、職場も住む地域も複数で、それぞれのコミュニティに合わせて役割やアイデンティティを多様に、バランスよく使い分けていく。色々な場に合わせて意味の場を作っていく、複数のコミュニティを使い分けることが当たり前だと思う人が、特に若い世代を中心に増えていると感じます。
ただ、そうなった場合、これまではある意味で従属しなければいけない、しがらみを感じるものだったコミュニティが、入れ替わり可能な場に変わっていきますよね。そこで文化を作るには、どうしたらいいのでしょうか。