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みんなの銀行永吉氏が語る、Appleのようなイノベーティブなプロダクトを生むデジタルバンクの作り方

Biz/Zine Day 2022 WinterレポートVol.1:株式会社みんなの銀行 永吉 健一氏

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 2021年5月、国内初のデジタルバンクとしてサービスを開始したふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)傘下の「みんなの銀行」。これまでの銀行とは一線を画した新しい金融サービスはどのようにして生まれたのか。弊社主催イベント「Biz/Zine Day 2022 Winter」の中から、株式会社みんなの銀行 取締役副頭取・永吉健一氏が「内製化の推進」「外部パートナーとの共創」「組織文化の醸成」などをテーマに語った講演、「国内初のデジタルバンク 『みんなの銀行』~サービスコンセプトを実現するための共創と組織文化~」をレポートする。

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両利きのDX戦略の起点となった「出島」の存在

 「みんなの銀行」そのものに触れる前に、まずはFFGのDX戦略の全体像から。FFGは、既存ビジネス(グループ銀行)の高度化を継続的に進めつつ、一方で2014年ごろから、新しいテクノロジーの活用や顧客起点の発想を前提にした新規事業の創出を模索。いわゆる「両利きの経営」でDXを推進してきた。

 一般に「DXの3ステップ」と言われるように、レガシー企業のDXには相応の手順がいる。まずはデジタイゼーション。その次にデジタライゼーション。土台となるこの2つができて初めてDXに取りかかることができるとされる。銀行ビジネスもこの例に漏れない。

 しかし、グループ銀行のデジタイゼーション、デジタライゼーションの完了を待っていては、DXに取りかかるまでに相当な時間を要してしまう。そこでFFGでは、段階的なデジタル化は時間をかけて進めつつ、並行して一足跳びにDXに着手すべく、別組織の立ち上げを行った。

 既存の銀行の制約やしがらみをすべて排除し、ゼロベースで新しいサービスを考えたらどんなものができるだろうか。こうした発想で立ち上げられたのが、ネオバンクビジネス創出をミッションとする「iBankマーケティング」。デジタルバンク「みんなの銀行」は、この「iBankマーケティング」の延長線上にある。

ふくおかフィナンシャルグループのDX戦略
クリックすると拡大します

 こうして2014年ごろから、新たな顧客体験・価値の提供による営業基盤の拡大を目指した、既存の銀行・サービスに捉われないまったく新しいマネーサービスの構想がスタート。合言葉は「iPhoneのようなイノベーティブな金融サービスを創りたい」だった。

 この「iBank」の中核プロジェクトとして2016年7月にリリースしたのが、国内初のネオバンクサービス「Wallet+」だ。現在までに全国12の地域金融機関に採用(予定を含む)されており、ユーザーは約180万人を数える。

マネーアプリ「Wallet+」
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“Appleのような銀行”を目指すきっかけになったiBank

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この記事の著者

鈴木 陸夫(スズキ アツオ)

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