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コーポレートベンチャービルディング(CVB)とは

グッドパッチがデザインで新規事業の立ち上げを支援する「CVB」──グローバル化とサステナビリティが鍵

ゲスト:株式会社グッドパッチ 取締役執行役員 實方(じつかた)ボリス氏

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 株式会社グッドパッチは、欧州オフィスでの知見を活用して東京オフィスにグローバル部門を新設。企業のベンチャー事業構築をデザインの力で支援する新サービス「Goodpatch グローバルベンチャーデザイン」の本格提供を開始した。これは、コーポレートベンチャービルディング(CVB)手法をベースにした事業デザイン支援サービスであり、これまでデザインの力で多くの国内外企業の新規事業立ち上げや、DX開発を支援してきたグッドパッチが、独自に提供するサービスだ。その手法の詳細や勘所、グローバル展開ができる事業づくりにおいて日本企業が考えるべきことを、取締役執行役員の實方(じつかた)ボリス氏に聞いた。

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デザインの力で新規事業をつくる「CVB」とは

――まずコーポレートベンチャービルディング(CVB)とは何かをお聞きします。コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。

實方ボリス氏(以下、ボリス):CVCは企業がベンチャーキャピタル(VC)として資金や経営アセットを提供し、ベンチャーの企業価値を向上させ財務リターンと戦略リタ―ンの獲得を狙います。一方CVBは自分たちでベンチャー事業を構築するものです。CVCを運営する企業は、ベンチャー企業をコントロールすることはできません。また出資を受けるベンチャーは、出資企業側のアセットを使いづらく、シナジー効果を出しにくいという面もあります。株式的にもマイノリティ出資となることが多く、出資企業がオーナーシップを発揮しづらい状態になります。

――大企業は3年ぐらいで成果を求めることが多いので、ベンチャー投資の10年のファンド運用期間は長いと考えてしまいますよね。

ボリス:CVC運営企業の多くは上場企業なので、株主の意向もあります。一方、CVBの場合は自分たちでベンチャーを立ち上げることになるので、短期で成果を出すことも取り組みによっては可能です。企業が100%コントロールすることも可能ですし、もともと持っている企業のリソースやチャネルも、CVCと比べれば活用が容易で、オーナーシップを発揮しやすいのです。

――CVBはどのように進めるのでしょうか。

ボリス:ベンチャーでも大企業でも、新規事業を立ち上げるときには「発掘」「構築」「スケール」という3つのフェーズがあると考えています。

CVBの3つのフェーズ「発掘」「構築」「スケール」
クリックすると拡大します

 CVBにおいて、特にデザインが重要な役割を発揮するフェーズが2つあります。1つ目は、新規事業のアイデアの有効性をリサーチするプロトタイピングなどを行う「発掘」フェーズです。2つ目が、ファンになってくれるようなユーザーが本当に世の中に存在するのかを検証する最小限のプロダクト(MLP:Minimum Lovable Product)を市場に投入し、プロダクトマーケットフィット(PMF:Product Market Fit)を確認する「構築」フェーズです。

 この2つのフェーズで正しい問いをもてて、焦ってスケールしようとしなければ、ビジネスはうまくいくものです。私たちグッドパッチはデザインに強みがある企業としてこれまでグローバルで数百社を支援し、このフェーズで価値を出してきました。しかし、多くの企業は自社で新規事業をつくるのに慣れておらず、「発掘」と「構築」がうまくいきません。また、この段階を丁寧に行わずに、無理にスケールさせようとしてしまうのです。

CVBの3つのフェーズ「発掘」「構築」「スケール」
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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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