旭化成は、未来のクルマの価値を高めるために不可欠な「3つのS」をコンセプトの柱としたコンセプトカー「AKXY2」の制作を発表した。
旭化成はこれまで、Asahi Kasei X(かける)You(お客様)の想いを込めたコンセプトカー「AKXY」シリーズとして、2017年の「AKXY」、2019年の「AKXY POD」を制作し、発表している。
制作にいたる環境変化
自動車業界の変化のスピードは激しく、またコロナ禍は社会全体を否応なく変容させ今後のクルマの存在価値においても見つめ直す大きな契機となったと、AKXY2の制作にいたる環境変化を述べた。このような状況から旭化成では、「3つのS」をコンセプトと掲げ、これまでの「AKXY」シリーズとは異なるアプローチでコンセプトカー「AKXY2」を製作するに至ったという。
コンセプト
「3つのS」とはSustainability(持続可能なクルマづくり)、Satisfaction(クルマの満足度向上)、そしてSociety(社会とクルマのつながり)を意味する。
Sustainability
気候変動が深刻化する中で、もはやものづくりの責務として果たさなくてはならない課題であり、英知の結集が急がれるテーマだと、旭化成では位置づけている。「AKXY2」はSustainabilityのために今実際に貢献でき、今後ますます力を発揮していくと思われるさまざまな旭化成の素材や技術を搭載。
Satisfaction
五感や直感、心身の幸福実感と深く結びついたテーマ。「AKXY2」では快適性などいつの時代も普遍的に求められる価値に対してより高い要求に応えながら、これまでのクルマにはなかった発想でアプローチし、具現化。
Society
変容する社会との関係からクルマの未来形を考える、「AKXY2」の基幹となるコンセプト。例えばプライベート空間を確保して個々の活動を後押ししてくれる空間として、またデジタルでは置き換えることのできないリアルな体験やコミュニケーションを育む場・空間として、クルマが私たちの心を豊かにしてくれることも提案し、旭化成の製品技術のみならず、クルマ社会の未来へのインスピレーションを得られるプラットフォームとした。
アプローチ
社内(SAGE、住宅領域)とのコネクトによる新たな価値の探求
旭化成の子会社であるSage Automotive Interiorsの欧米拠点と全面的に連携することで、初代AKXY以上に豊富な内装ファブリックを提案し、カスタマイズ性を高めた車室内装を実現。また車内空間の使い方においては住宅領域とのシナジーの可能性についてコンセプトを提案し、顧客やクルマユーザーとのコラボレーションの幅も広がっているという。
社外コネクトによる新たな価値の探索
旭化成CVC室の投資先であるUltraSense Systemsやその他社外企業とのコラボレーションによるドアおよびキャノピー部の開閉スイッチ機能や発熱シート機能を実現。