ファイナンスの目的は、企業価値を最大化すること
――ファイナンスと一口に言っても、非常にその範囲が広く、定義があいまいな部分もあります。財務面から経営判断を行ううえで、CFOはどこにフォーカスすべきでしょうか。
朝倉:私は基本的に、「ファイナンスとは、企業価値を最大化するために行う活動のこと」と定義しています。さきほども少しご紹介しましたが、その具体的な活動は、「A:外部からの資金調達」、「B:資金の創出」、「C:資産の最適配分」、「D:ステークホルダーコミュニケーション」の4つです。この4つが、一貫性を持って有機的につながっていることが、企業価値を高めるポイントになります。こうした活動を行いながら、会社の価値をより高めようと目指す発想のことを「ファイナンス思考」と私は呼んでいます。