デル・テクノロジーズは、滋賀県 大津市が「Dell PowerScale」を採用し、庁内にある40台のNASを1台に集約することで、同市の行政DXを推進し、いつでもどこでも職員が業務のできる「持ち運べる市役所」を現実化すると発表した。
大津市は「大津市デジタルイノベーション戦略」を策定し、電子市役所の実現に向けた取り組みを加速させている。同戦略は、デル・テクノロジーズのデジタルシティのビジョンであるモダンでスケーラブル、オープン、将来性があり安全で強力な都市デジタル基盤に沿ったものだとし、都市がDXのロードマップを加速し、市民の成果を促進できるように支援するとしている。
戦略の推進にあたり、大津市は時間や場所に縛られない働き方の実現に向け、職員向け仮想デスクトップのユーザープロファイル領域や、業務データを保存するための新たなストレージ基盤が必要になったという。また、庁内に分散したファイルサーバーを統合し、運用管理の負荷を下げて、リソースやコストの全体最適化を図ることが急務となったほか、テープ装置を利用したバックアップ/DR(災害対策)業務の改善も課題の一つだったと述べている。
PowerScaleによる新しいストレージ基盤は、2022年2月より本番稼働を開始。高速対応が要求されるユーザープロファイル領域の保存用には、オールフラッシュモデルの「PowerScale F200」を、大容量が要求される業務データ保存用にはアーカイブモデルの「Dell Isilon A200」をそれぞれ採用し、性能要件とコスト要件をバランス化させたという。
これにより、課題であったファイルサーバー統合も実現。以前は約40台のNAS装置が個別に稼働していたが、「Dell OneFS」シングルファイルシステムを通じて、そこに保存されているデータを1クラスタの「PowerScale」へ統合・集約化できるため、運用管理負担の軽減も見込んでいるとしている。
加えて、事業継続性の強化を図るべく、遠隔地の別施設にもIsilon A200を設置。本番環境とのレプリケーションを日次で実施し、テープバックアップから脱却できたほか、本番環境が被災した際にも大事なデータを失う心配がなく、本番環境とDR環境でネットワークも分けているため、業務もそのまま継続できるという。
仮想デスクトップ環境をストレスなく利用できるようになったことで、大津市は職員のテレワークやリモートワークの可能性も拡大。現在は、約1,700名の職員が仮想デスクトップ環境を利用しているが、今後4,000名にまで規模を拡大していく予定だとしている。