企業は量子でなければ解けない課題を抱えるべき
寺部:デジタル時代の先、これから来るであろう量子の時代に、日本企業はどのように対応すればよいのでしょうか。
村上:量子コンピュータでなければ解けないような問題を自社の課題として抱え込むことが大事です。最近、「自社の商品・サービスで人類社会が抱えている問題を解決する」と、パーパスやミッションなどで掲げている企業が増えました。コンピュータの計算力の文脈で考えたとき、その社会課題がスーパーコンピュータでシミュレーションできるのか、それとも量子コンピュータでなければならないのか。量子コンピュータでなければ解けない問題は、すぐに解決できないからよくないというわけではありません。それほど大きな社会課題を抱え込めたということは、地球をよりよくするという方向に企業のパーパスが向いていることを示しているということです。