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入山章栄教授が語る、日本企業のイノベーション創出を阻む「組織の“壁”」の乗り越え方

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ボトムアップで壁を乗り越えるための“巻き込み”

 それでもあえて、ボトムアップで壁を乗り越えるにはどうしたらいいのか。入山氏は「まず難しい」といいながらも、あえて取り組む方法として、「コツコツ周りを巻き込み、機運(=ムーブメント)を高めていくほかない」と語る。つまり、「まずは気づいて自身が壁を取り払い、そして壁があると思っている人の目を覚まさせて仲間に巻き込んでいく」ということで、とにかく地道な方法が重要というわけだ。

 その鍵として入山氏は、トーマツで新規事業としてデロイト トーマツ ベンチャーサポートを立ち上げた斎藤祐馬氏の「My story, Our story, Now story」というアプローチを紹介。まず「やりたい」という自分の話、次に会社全体にプラスになる話、そして、だからこそ今やるべきだという話、そして、そのどれにも重なるストーリーを見つけて語り続けることで壁が崩れるのだという。入山氏は「多くの人はMy Storyは持てていても、Our、Nowとなると難しい。しかし、そこを言語化してコツコツ語りかけることで変化は現れる」と語り、「実際に組織の壁を越えてコミュニケーションを取る。そうした境人を『バウンダリー・スパナー』と呼び、イノベーションの起点となる」と説明した。

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伊藤 真美(イトウ マミ)

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