制約と闘いながら「抜け漏れ」のないロジカルな分析をする方法

第4回

 漏れなくダブりなく仮説を立てる、ということは良いが、全てを検証する時間なんてない、という実務家は多いはず。とはいえ、適当に当たりを付けた仮説だけを検証するのであれば、ロジカルなアプローチを最初から放棄したのと同じです。では、論理性を保ちながらも効率的に分析を進める方法はないのでしょうか。今回はその方法の一つを紹介します。

[公開日]

[著] 柏木 吉基

[タグ] データ・アナリティクス ビジネススキル 事業開発

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「自分の経験と勘を検証する」ことは分析の目的ではない

 次の「課題」の原因と考えられる仮説をできるだけたくさん挙げてみましょう。

ネット通販している特製レトルトカレーの売れ行きが悪くなってきた

 例えば、「配送までの時間がかかるようになり、欲しいときにスグに食べられないという悪評がたった」、「味に飽きてしまったお客様が出てきた」など、お客様、商品、サービス、市場、競合などいくつもの観点から、要因と思われる仮説を導き出すことができるでしょう。

 分析をする前にできるだけ多くの「漏れやダブり」のない仮説を立てる。その仮説の是非を検証するのが、データ分析の目的です。そのためにも、いったん制約条件を無くして、可能性のある要因を全て洗い出す作業が本質的な分析への取組に大切なことは言うまでもありません。

 にも関わらず、現場でよくあるのは、その業務に精通した(と、少なくとも本人は思っている)人が、「ああ、それはこういう理由だよ」と自分の経験と勘から特定してしまい、それを後追いでデータから立証しようとするケースです。確かに、当たれば作業効率は大変良いのですが、当たるも八卦当たらぬも八卦で仕事を進めてしまい、本質的なことがうやむやになったままになるリスクがあります。

 ところが、逆に漏れなくダブりなく仮説を挙げて、全てを検証しようとすると、これはこれで困った事態も起こります。

そんなの全部やっている時間はない。

という切実な悩みです。データ分析をすることや特定の課題解決をすることが、日常業務やルーティーン業務に入っている人は稀です。何らかの本業を抱え、それにプラスで分析をしたり、課題解決に当たったりするケースのほうが多いのではないでしょうか。

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