日本電気(NEC)は9月16日、同社の玉川事業場(所在地:神奈川県川崎市)内にローカル5G屋外共創環境(Sub6帯)を開設した。これは、ネットワークを活用したオープンな共創の場のコンセプト「NEC CONNECT」に基づく取り組みで、6月に開設したNEC CONNECT 5G Lab(以下、5G Lab)を拡充するもの。
同共創環境は、屋外実証環境のニーズに対応し、今後様々な業種の顧客、パートナー企業との実証を行い、屋外でのユースケース創出を加速。5G Labの屋内共創環境とも連携することで、モビリティの広域利用や、ハイブリッド5Gの特性を活かした実証が可能になるという。
また、既に進めているNECグループ工場でのローカル5G活用に加え、10月から同社のオフィススペースやスポーツ施設にローカル5G環境(Sub6帯)を構築し、日常に近い環境で社会実装における利点や課題の抽出を図る、リビングラボの手法を用いた検証を開始するという。NEC社員が実際に活用することで得られる運用ノウハウや柔軟な働き方などのユースケースを市場に展開することで、5Gの社会実装を加速させるとしている。
実施する主な取り組み内容は以下のとおり。
- 工場における活用:NECとNECプラットフォームズは、NECプラットフォームズ甲府事業所において、ローカル5Gとロボット、AMR、AIなどを組み合わせたユースケースの生産現場での活用を進めており、2023年度にNECプラットフォームズ掛川事業所への導入が決定。今後、国内外の工場に順次ローカル5Gの導入を進める計画で、スマートファクトリーの具現化を進めるという
- オフィスにおける活用:NEC本社ビルおよび玉川事業場のオフィスにおいて、10月からローカル5Gの稼働を開始。NEC製5G対応ノートPCを社員に配布し、現在はWi-Fiが主流となっているオフィスでのワイヤレス環境から、5Gの持つ大容量・低遅延・多接続といった特徴を活かした、新しい働き方を試行する。ローカル5Gを活用することで、ロケーションフリーな環境で場所を問わない働き方に対応し、効率的なコミュニケーションや共創活動の実施が可能となる環境づくりを進めていくとしている
- スポーツ施設における活用:社内の屋外/屋内スポーツ施設にもローカル5Gの共創環境の設立を予定。5G Labなどを活用して創出したユースケースをスポーツ施設など新たな領域へ適用し自ら活用する中で、ユースケースの有効性を検証、運用ナレッジの蓄積を行う計画だという
NECは今後、5GだけでなくBeyond 5GやIOWNなども含めて、幅広い知恵と技術がオープンにつながるイノベーション創出の場を整備し、社会へ価値を提供するとしている。