日本電気(以下、NEC)は、混雑の原因となるゲートを取り払った新しいコンセプトの入場管理である「ゲートレス生体認証システム」を開発した。
同システムでは、一人ひとりを立ち止まることなくスムーズに認証し、事前に顔画像を登録していない人が通過した場合、利用者の頭上や床面などに設置したディスプレイで視覚的にアラートを示すことが可能。また、認証時には、事前にダウンロードしたアプリやメールで本人に認証完了したことが通知される。これにより、利用者と警備員それぞれが、入場エリアでの認証の可否をその場で把握できるという。
システムの特徴は以下のとおり。
カメラ1台の認証設備で多人数の同時認証が可能
服装の特徴で照合する人物照合技術と、動きの特徴で追跡する技術を併用することにより、リアルタイムに多人数の追跡を実現。顔認証を組み合わせることにより、1台のカメラで1分間に100人以上を認証できるため、入場エリアでの混雑の緩和に貢献するとしている。
自然に歩いていてもスムーズかつ高精度な認証を実現
NECの生体認証「Bio-IDiom」の顔認証技術により、意識的に顔をカメラに向けることなく自然に歩いていても本人を認証し、利用者に負担のないスムーズな入場が可能。また、マスクを着用していても認証できるため、セキュリティを保ちながら利便性を実現するという。
同社は今後、テーマパークやイベント会場、オフィス・工場における入退管理に加えて、鉄道の自動改札のゲートレス化など様々なシーンでの活用検証を進め、2024年度の実用化を目指すとしている。