コーゼーションを叩き込まれる前にエフェクチュエーションを取り入れるNECの狙い
──NECではエフェクチュエーションを研修に取り入れていると聞きました。どのような経緯で、どのように導入をしているのでしょうか。
河合正能氏(以下、河合):NECマネジメントパートナーはNECグループの人事や総務、経理などスタッフ系の事務を集約して行う企業です。私は人材開発サービス事業部におり、ここ20年弱、人材開発の仕事をしています。
NECでは2013年に新規事業創出のために、いわゆる出島的な存在として「ビジネスイノベーション統括ユニット」を設立したのですが、その時にビジネスモデルキャンパスやリーンスタートアップなどの手法をNEC全体に展開していくことが決まりました。その中で、私もイノベーションに関連する領域に関わることになりました。メインの内容としては2016年からJapan Innovation Networkの山形さん、講師さんとともに、年間100名くらいの中堅層のリーダークラス、35歳くらいの次世代経営層を対象としたイノベーションプログラムを実施していました。このプログラムは一旦コロナ禍で中断したのですが、オンライン化して再開して、現在はスケールアウト社さんとともに、NECグループ内のさまざまな部署に刺激を与えています。
エフェクチュエーションに関しては、2021年から新入社員向けの研修にも導入しています。私が新入社員プログラムの開発担当者だったので導入したのですが、もともとは別の価値創造プログラムを行っていました。それも好評ではあったのですが、エフェクチュエーションを先に理解してほしいなと思いました。というのは、業務が始まるとコーゼーション、つまり目的から逆算して意思決定をするという、エフェクチュエーションとは真逆の発想を叩き込まれるからです。