コニカミノルタのデザイン組織の「未来の描き方」──歴史ある企業が自社の強みを捨てない、事業構想とは?
RESEARCH Conference 2023 レポート Vol.2:コニカミノルタ株式会社 神谷泰史氏
2023年5月27日、サービスづくりにおけるリサーチの価値や可能性を広く伝えることを目的とした日本発のカンファレンス「RESEARCH Conference 2023」が開催された。同イベントには、大企業やスタートアップから多様なスピーカーが登壇し、リサーチの実践知を発信した。その中から、本稿ではコニカミノルタ株式会社(以下、コニカミノルタ) envisioning studioの神谷泰史氏による「共創する未来:コニカミノルタenvisioning studioの新価値創出」をレポートする。「VUCAの時代」と言われて久しい昨今、多くの企業が未来に向けた価値創出に取り組んでいる。では、どうすれば企業はあるべき未来を見通し、新たな時代に適した価値を生み出すことができるのか。既存の方法論とは異なる、コニカミノルタの実践が明らかになった。
コニカミノルタが追求する、未来の「みたい」とは
「デジタルワークプレイス」「プロフェッショナルプリント」「ヘルスケア」「インダストリー」の4つの領域で事業を展開するコニカミノルタ。顧客企業に価値を提供するB to Bビジネスに留まらず、顧客企業で働くプロフェッショナル(Professionals)や生活者(People)にも価値を届けることを目標に、「B to B to P for P」を標榜している。
そのため、コニカミノルタはステークホルダー全体の体験に着目した価値探索の手法「コニカミノルタデザイン思考」を考案。方法論として体系化し、eラーニングや研修プログラムの提供を通じて、社内への定着を図っている。
そうした新たな価値を探索する姿勢は、原点である写真の分野でも変わらない。150年の歴史を有するコニカミノルタの祖業はカメラやフィルムといった写真事業。その後は複写機事業を拡大させ、現在に至ったことから、光学や材料、画像などのコア技術を数多く保有している。コニカミノルタでは、これらの技術を活用した事業を「人々の『みたい』に応える事業」と定義し、新たな価値創出に挑んでいる。
「見たい」「診たい」「観たい」「視たい」「看たい」……など、これまでさまざまな「みたい」に応えるサービスがリリースされてきた。例えば、「見たい」の領域では、ビジネスドキュメントや業務プロセスの課題を見える化するソリューションを提供。また、「診たい」では疾病の早期発見を促すソリューション、「観たい」では高精細の映像ソリューションなどを提供し、多様なステークホルダーのニーズに応えている。
さらに、近年、注力しているのが、未来の「みたい」だ。神谷氏は次のように語る。
「当社の歴史的な経緯を踏まえれば、現在の『みたい』だけではなく、未来の『みたい』のニーズにも応える必要があります。そのため、私たちは未来を思い描きながら、事業を構想しなければいけません。そうしたミッションを担うのが私の所属するenvisioning studio(エンビジョニング・スタジオ)です」
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