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日東電工が「経営・事業・知財」を融合した全社一体のイノベーションで手にするグローバルニッチトップの座

「PatentSight Summit 2023」レポート

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日東電工の成長の源「Nitto流イノベーションモデル」

 高機能中間材料メーカーの日東電工。1918年に電気絶縁材料から出発し、粘着剤などの高分子制御技術を基盤技術として、時代の変化とともに事業ポートフォリオを変革しつつ拡大・成長を遂げてきた。創業105年目を迎えた現在は、情報機能材料事業、基盤機能材料事業、ICT事業、ヒューマンライフソリューション事業などを主軸に展開し、昨年2022年度には当期利益1,000億円を超えた。

  この成長の源にあるのが「Nitto流イノベーションモデル」だ。製品の提供先として、顧客や産業だけでなく地球環境・人類社会まで対象を広げ、「三新活動」および「グローバルニッチトップ戦略」にて製品を創出し続けている。それにより、持続可能な環境社会の実現に貢献し、顧客企業にとって“なくてはならない存在”になっているのだという。

 三新活動とは、現行事業から新用途開拓と新製品開発を行うことで、新たな新需要を創造・拡張していく活動のこと。中期経営計画では「新製品比率35%以上の継続」を掲げ、これまで着実に成長を遂げてきた。

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 たとえば1950年代に開発された電気絶縁テープは、元々有していた「しっかりとくっつき、きれいにはがせる粘着技術」を磨き、自動車やキッチンシンクなど金属製品の表面保護、スマートフォンや半導体などといった電子・工学機器の表面保護というように、様々な用途・製品に拡張していった。そうした製品が日東電工には数多く存在する。

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 そしてグローバルニッチトップ戦略とは、自社に優位性がある“ニッチ市場”で独自の技術を活かし、トップシェアを目指すというもの。2002年に商標登録を行って以降、同社の経営指針を示す言葉として社内で大切にされている。

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 ここでのニッチとは、「居心地が良い」という意味を指す。つまり、日東電工が力を発揮しやすい得意な分野であり、そこでトップを取ることで、顧客にとって“なくてはならない存在”となり、顧客とともに成長し続けられるということだ。ディスプレイ用偏光フィルム「NPF」や、熱はく離シート「リバアルファ」、精密回路付き薄膜金属ベース基板「CISFLEX」などが、この戦略によって生み出されてきた。

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伊藤 真美(イトウ マミ)

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