DXのための出島を作ってもスタートアップの劣化版しかできない
──エンジニアの特性について、エンジニアチームだけでなく組織全体に理解を広げていくのは、なかなか難しそうです。
小野:ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代に成功した大企業は、中間管理職を中心とした綿密な関係性ができていて、それが複雑な大きな組織を自由に動かす関節や情報経路のような役割を担って大きな成功を導いたと言われていますよね。組織を身体に例えたのは秀逸だと思います。というのも、DXをやろうとして苦しんでいる会社は、人体における免疫系が働いている状態なんだと思うんです。複雑な身体を健やかに保とうとして、知らない菌が来たら殺しにいくという動きをしてしまうんですよね。社名も知らないで最終面接に来るような人は、異物とみなして排除してしまう。