コングロマリットが向かうべき未来を定める際に“渡り鳥の群れ”から学ぶこと
佐宗:僕がデザイン経営実践プロジェクトで印象的だったのは、構想段階から1年目のスピード感なんです。半年ほどの準備期間の後、二つの事業部でパイロットプロジェクトをスタートして、いきなり事業部長を巻き込んで未来構想の議論を進められていました。一方、同時に、中長期戦略に長期視点に基づくビジョンやKPIを組み込むような取り組みも並行して進めましたよね。あの時期はどのような心境だったんですか。
臼井:支援チームのメンバーは皆感じていたと思いますが、最初は私たちと事業部長ではモードが全く違うんですよ。それも仕方なくて、事業部長は既存事業を抱えて、足元の課題にも直面し、毎年の数字も追わなければいけないなかで、「未来構想を!」と言われてもピンとこないですよね。でも、事業部の感度のいい若手従業員などがプロジェクトに触発されていくのを間近で見たりするなかで、次第にモードが変わっていって、ある時点でカチッと意識が切り替わるんですよ。