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DX推進のため日本企業に広がる「プロジェクトマネジメント」──PMIと実践企業にノウハウを聞く

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「GoSmart」がプロジェクトマネジメントとして優れた点

──プロジェクトマネジメントの観点では、どのような特徴があったのでしょうか。

甲斐:プロジェクトマネジメントの手法にはいくつかありますが、このプロジェクトは全体としてはアジャイル型で、やりながら工夫を重ねる方法でした。しかし全体を進めていく上での小さなプロジェクトがいくつもあって、それに関してはウォーターフォール型で行いました。全体と個別のプロジェクトで手法を分け、ハイブリッドで行ったのが特徴です。

 プロジェクトでは、まず何のために始めるのかを明確にしました。その際に考えたのは、従業員向けには、笑顔・信頼・勤勉・健康をテーマに価値を届けていきたいということ。契約企業に向けては、企業の所在地を「地域」と定め、その地域の活性化を目指すこと。最初にこのようにまとめました。実際のプロジェクトでは、まずはプロトタイプとしてアプリケーションを作って、自分たちがモデルケースとなって実践していくようなやり方をとりました。まずは理念、考え方を作り、その後プロトタイプを作ってやっていくというやり方です。

 PMIでは、プロジェクトが地域や社会に良い影響を与えることを重視されていると思います。「GoSmart」は、会社がまちなかの飲食店と提携して社員食堂を作るという、1つひとつはとても小さなプロジェクトですが、それがITの発展によってアプリケーション上でつながり、大きなプロジェクトとなっていくものでした。点と点がつながって面になっていく、小さなプロジェクトの成功が大きなプロジェクトの成功になっていくということが、PMIの考え方に合致して、ご評価いただけたのだと思います。

カン:このアワードはベストプラクティスを共有することも目的としています。一般的にプロジェクトというものは規模やスケール、行う業界によって常にカスタマイズが必要で、良いプロジェクトでもそのまま他のプロジェクトに適応することはできません。「GoSmart」は、自分たちでベストプラクティスを考え出した点がすばらしかったと思います。また、今回は、プロジェクトがSDGsと合致しているかも評価の観点でした。このプロジェクトは、中小企業の方々の福利厚生が達成されると同時に、地域の中小企業である飲食店を支援することにもなる点で、すばらしいと思いました。

──最後に、プロジェクトマネジメントをやってみたい方、今やっている方に、一言メッセージをお願いします。

カン:今私たちは、DX推進真っ只中という非常に興味深い時代にいます。良いプロジェクトマネージャーになるためには、新しいツールやAIなどのテクノロジーも駆使していかなければならず、継続的な学習が必要です。そして、プロジェクトは良くも悪くも社会にインパクトを与えます。「GoSmart」のように、より良い社会にするために、自分たちのプロジェクトをどのように管理したらいいかを常に念頭に置いてプロジェクトを実行してほしいものですね。

甲斐:かつては一部の大企業だけしか使えなかったようなテクノロジーが、中小企業にも無料や安価で使える時代になりました。若い人が出したアイデアや、何かの課題があった時、課題解決のアプローチや計画方法を知ってさえいれば、きちんとしたプロジェクトを作れると、PMIの研修に参加して実感しています。世の中には多くの課題がありますが、そういった課題を、多くの人がプロジェクトを作って1つずつ解決していけばいいと思います。何かをやろうとしている人にはチャンスが多い時代です。私たちも今後も様々なプロジェクトを実現していくので、想いのある人と一緒に世界を変えていきたいと思っています。

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Project Management Institute

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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