有志活動総選挙ファイナルピッチの評価ポイント
「有志活動総選挙ファイナルピッチ - ONE JAPAN CONFERENCE 2023 ver.」は、ONE JAPANに参加している約50の企業内有志団体から、事前の予選・セミファイナルを勝ち抜けた4団体が登壇し、「ONE JAPAN CONFERENCE 2023」当日に決勝のピッチを実施するもの。各有志団体による1年間の取り組みのピッチを、審査員・コメンテーターと会場が評価してグランプリを選ぶという。
登壇者
- 田中翔麻氏(AISIN INNOVATION HAB CONNECT/株式会社アイシン※)
- 杉本秀和氏(SMBB〜Beyond Banker〜/SMBC Wevox株式会社 代表取締役社長)
- 横田聡氏(A-1 TOYOTA)
- 平城駿氏(O-Den/エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)
※登壇当時
審査員・コメンテーター
- 今井悠資氏(神戸大学 大学院経営学研究科 研究員)
- 大嶋寧子氏(リクルートワークス研究所 主任研究員)
- 花田琢也氏(日揮ホールディングス株式会社 専務執行役員 CHRO)
- 浜田敬子氏(ジャーナリスト)
- 鈴江奈々氏(日本テレビ放送網株式会社 アナウンサー/モデレーター)
- 濱松誠氏(ONE JAPAN 共同発起人・共同代表/モデレーター)
最初に、モデレーター濱松誠氏と鈴江奈々氏が評価軸を紹介した。
- VALUE:新たな価値の浸透や創造に対し、有志活動ならではのアプローチで挑戦して結果を出しているか
- PEOPLE:代表者やコアメンバーが熱意を持って参加しており、ダイバーシティを意識しながらチーム作りがなされているか
- CLUTURE:社内外への発信を通して多くの人を巻き込み、価値観や行動に深い影響を与えているか
ここからは、各団体のピッチの様子を紹介する。
「“0.1歩”から“1歩”までを支援する」アイシンの取り組み
最初に、株式会社アイシンの有志団体「AISIN INNOVATION HAB CONNECT」の共同代表 共同発起人である田中翔麻氏が登壇。1年間の取り組みを紹介した。
AISIN INNOVATION HAB CONNECTはアイシン社内の57部署、104名が参加している団体だ。「自ら挑戦する人を取り残さない繋がる場づくり」をコンセプトとしており、グループチャットでの情報交換を中心に、挑戦する人を育成する場、新規事業を創造する場を提供している。メンバー向けに“0.1歩”から“1歩”まで様々なステップで踏み出す機会を用意していることが特徴だ。
“0.1歩”の機会として、社内向けに「CONNECTラジオ」を毎週配信。途切れることなく1年間継続しているという。“0.2歩”目として「CONNECT分科会」を開催。一例として、管理部門の若手が手を挙げてスタートさせたダイバーシティの分科会があると話す。そして1歩踏み出す創造の場として、事業創出プログラム「SWITCH」を開催。4ヵ月かけて新規事業を作り上げ、新規事業担当の役員にピッチする場を設けているというのだ。
また、団体内でメンター育成プログラムも開始。SWITCHを経験したメンバーをSWITCHのメンターとして育成することで、次世代に繋げていこうとしているのだと話す。
これらの取り組みが会社に評価され、公式な活動として“部室”や予算が付き、応援してくれる役員も出てきたのだという。加えて、広報部や人事部のメンバーが団体に加わったことで、社内発信の機会や人事部が主催するキャリア教育での紹介の機会も増えてきており、コミュニティのサイクルは好転。田中氏は、AISIN INNOVATION HAB CONNECTは進化し続けていると語った。
このピッチを受けて、リクルートワークス研究所 主任研究員の大嶋寧子氏は、自ら挑戦する人を取り残さない仕掛け作りと、社内のステークホルダーを巻き込んで会社を変えていこうとする取り組みが評価できると話した。