2026年7月30日、KPMGコンサルティングは、「KPMGグローバルテクノロジーレポート2026:製造セクター」(日本語版)の発表を行った。同レポートは、22カ国・地域にわたる製造業テクノロジーリーダー258名の見解に基づき、AIや先端技術の活用度、投資傾向、課題と今後の示唆をまとめている。

調査結果によると、製造業ではAI、クラウドインフラ、データ分析、エッジコンピューティング、デジタルツインなど、先端技術への投資が増加している。87%の回答者が先端技術を競争優位の源泉と認識し、80%が投資による価値向上を実感。さらに、76%の製造業がデジタルテクノロジーに5,000万米ドル超を投資し、49%が顕著な財務成果を報告している。
AI活用は、これまでの概念実証(PoC)から実装・価値創出フェーズへ進展しつつある。68%が今後12ヵ月間でAI導入を拡大予定と回答し、49%が既にビジネス価値につながるAIユースケースを展開している。特に、予測型品質管理(52%)、ダウンタイム削減のための高度分析(40%)、設計・カスタマイズの生成AI(38%)の導入意向が高い。
AI活用の鍵は「信頼性の高いデータ基盤」と「データオントロジー」にあるとされる。83%が強固なデータ基盤の構築を進める一方、76%が信頼性の低いデータをAI活用上の主要リスクと認識している。サイロ化されたデータを連携させるデータオントロジーが、迅速なデータ活用の基盤となっている。
マクロ環境の変化、サプライチェーンの不安定化にも対応する必要性が示唆されており、48%がデータフローの改善を優先対応事項として挙げた。AIの全社的活用推進では、IT部門主導の集中型アプローチを70%が採用し、87%がIT・セキュリティ・リスク部門の連携を重視する。サイバーセキュリティは最重要課題のひとつで、AIの進化が脅威検知の高度化だけでなく、攻撃手法の高度化も生むためだ。
人材面では、89%がAIエージェント活用スキルを今後5年以内の重要スキルとして考えており、ガバナンス体制の構築、人材育成、サイバーセキュリティの一体的な整備が急務とされている。
今後企業が対応すべき点として、
- データ基盤の標準化と統合
- 人とAIの協働
- 実証済みAIユースケースへの集中投資
- プラットフォーム型でのAI展開
- セキュリティ・倫理・信頼性確保
- 戦略的パートナーシップ推進
- 実践的な人材スキル向上
の7つが挙げられている。
今回のレポートは、国内外の製造業が先端技術を競争力強化の中核と位置付け、データ基盤強化、人材育成、セキュリティ対応を一体的に進める必要があることを示している。
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