東日本電信電話(以下、NTT東日本)は、IOWN技術を活用したユースケース創出に向けて様々なパートナーと共同実証を行う「IOWN Lab」を開設した。
IOWN Labでは、IOWNの技術要素の一つであるオール・フォトニクス・ネットワーク(以下、APN)やデジタルツインコンピューティングを実証・体験できるという。同施設を活用するパートナーを募集し、IOWNを活用した新たなユースケース共創の場として活用していくと述べている。
IOWN構想を実現するためには数多くの革新的な技術を創造し、組み合わせることが必要であり、それを広く普及させるための活動も必要だという。また、情報処理、コミュニケーション、ネットワーク基盤の転換にあたっては、広範な知識・見識が要求されることから、NTTグループのみでの実現は困難だとしている。
また、IOWNを市場で受け入れられる形で事業化、社会実装していくためには、地域の課題解決やイノベーションの創出にIOWNが貢献することを実感してもらう必要があると述べている。
IOWN Labにて公開する共同実証
同社の取り組みに賛同するパートナー企業と先行して取り組んできた共同実証の内容について、IOWN Labにて公開する。
1. 産業用ロボットの遠隔研修の実現性を実証(協力:三菱電機)
三菱電機の産業用ロボットとAPNプロトタイプ機を接続することで、産業用ロボットの遠隔研修の実現に向けた共同実証を実施。今後は、遠隔研修に向けた他の課題抽出と共に、ロボットエンジニアがティーチングスキルを磨く場を設けるなど、新たなビジネスモデルの開拓も視野に入れ検討を進める。
2. 遠隔からの顔認証の実現性を実証(協力:日本電気)
NEC我孫子事業場に開設した「NEC CONNECT Lab with IOWN」と接続。IOWNにおけるAPNを活用したユースケース創出に向けた実証の第一弾として、NECの顔認証技術を活用し、多数の顔データを同時に遠隔からリアルタイムで認証する取り組みを実施した。
3. APN×無線(ミリ波)による低遅延・大容量伝送実現に向けた実証実験(協力:NTTコムウェア・フジクラ・テラピクセル・テクノロジーズ)
NTTコムウェアが取り組んでいる、ロボットとデジタルツイン活用による運用業務の省人化実証環境への高速な映像伝送環境の導入を第一弾として、APNとミリ波を組合わせた、無線区間を含む低遅延・大容量伝送実現に向けた実証実験を開始した。
NTTコムウェア五反田ビル内の実証実験環境に、高速通信が可能なフジクラ製の60GHzミリ波無線モジュールと、低遅延映像出力が可能なテラピクセル・テクノロジーズ製の映像機器を使用した無線環境を構築し、IOWN Labとの間をAPN IOWN1.0で接続した上で、遠隔制御の実現を目指す。