オムロンは、製品サプライチェーンのカーボンフットプリント(以下、CFP)の見える化に向けた実証実験を、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、コグニザントジャパン、ソルティスターとともに実施すると発表した。
同実証実験では、オムロンが自社やクライアントの製造現場で蓄積してきた制御技術とパートナー各社の技術を活かし、CFPの算出に加え、エネルギー使用量の削減とモノづくりの生産性や品質を高め、生産量を向上させる「エネルギー生産性向上」を実現するプラットフォームの創出に取り組むという。
国際標準に準拠した企業間データ連携を想定し、グローバルデータ流通基盤「Catena-X」に接続。各生産工程から自動収集した設備の稼働状況や、電力をはじめとする生産現場データをクラウド上で管理し、一製品ごとのサプライチェーンにおけるGHG排出量を把握するための実証を行うとしている。
製造業各社には、品質と生産性を維持しながら、脱炭素化の要請に応えるべく、製品のサプライチェーン全体におけるGHG排出量を削減することが求められている。その実現には、自社から排出されるGHG(Scope1・Scope2)にとどまらず、自社以外で発生するGHG(Scope3)を把握しなければならない。しかし、効果的な収集・分析手法は未だ確立されておらず、各製品のGHG排出量の算出には約1年の期間を要することもあり、各社が脱炭素化に取り組む上で課題になっているという。
同実証実験を通じ、各領域で強みを持つパートナー各社と共創することで、様々な製品サプライチェーンに応用可能なデータ収集の自動化や、GHG排出量の算出方法の標準化、現場改善の効率化を目指すとしている。