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JR東日本、シンガポールにCVC「JRE Ventures」を設立 50億円の出資枠を用意

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 JR東日本は、主として東南アジア地域を中心に活動するスタートアップへの出資と、JR東日本グループとの協業推進を行うコーポレートベンチャーキャピタル「JRE Ventures」をシンガポールに設立すると発表した。

 人々の暮らしをより豊かにしていく「生活ソリューション」の事業領域に関する革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップを対象に、50億円の出資枠を設けるという。

 リテールテック領域などの海外スタートアップと共創することで、JR東日本グループの事業シナジーを創造し、駅から顧客や沿線の人々の暮らしとつながり、心豊かな生活を実現する「Beyond Stations構想」を加速させ、駅の持つ可能性を拡げて、リアルとデジタルが融合するJR東日本グループの新たな顧客体験価値を創造すると述べている。

コーポレートベンチャーキャピタル設立の目的

 情報の集積とビジネスのハブ化が進むシンガポールを拠点に、新たに「JRE Ventures」を設立。「TAKANAWA GATEWAY CITY」をはじめとするJR東日本の多様なフィールドにおける共創の場を活かすとともに、JR東日本が展開するコワーキングスペース「One&Co」や、連携協力の覚書を締結したシンガポール国立大学とそのインキュベーション施設「BLOCK71」などが有するスタートアップのネットワークに参画し、タイムリーかつスピーディーに出資を行っていくとしている。

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想定する投資領域と事業シナジーのイメージ

 主に、駅における「生活ソリューション」のサービスでの共創を目指すという。まずは、JR東日本グループの事業とのシナジーが期待できる「広告」「リテール/EC」「物流」の事業領域に対応する「アドテック」「リテールテック」「ロジスティクステック」の領域で、技術やビジネスを有するスタートアップに注目。今後、マーケットの変化などを踏まえて、柔軟に事業領域の範囲を拡大していくと述べている。

【1】広告やリテール領域におけるリアルとデジタルの融合(アドテック・リテールテック)

 生成AIやXR、ネットワーク技術の活用による交通広告など、リアルの屋外メディアの価値を高めて顧客とOne to Oneでつながるきっかけへと変革するとともに、実店舗やJRE MALLなどのECサイト、JRE POINTやモバイルSuicaなどのチャネルとそこで集積されるデータを統合活用し、リアルとデジタルをシームレスにつなぐという。顧客一人ひとりのニーズに寄り添い、新しい情報やサービスとの偶発的な出会いも生むような、JR東日本グループならではの豊かな購買体験の提供を目指すとしている。

【2】物流のイノベーション(ロジスティクステック)

 人手不足の状況下、複数荷主の荷物の高効率な混載や最適な配送ルートをシミュレーションする技術、倉庫自動化技術、ラストワンマイルの物流技術などにより、物流のイノベーションを目指すという。こうした共創を通じ、駅のあり方を変革する「Beyond Stations構想」を推進することで、顧客や沿線の人々の暮らしを便利で豊かにしていくことを目指すとしている。

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【3】投資対象と規模

 JR東日本グループの事業変革と成長戦略を加速させる技術やビジネスモデルを有するスタートアップを対象に、およそ5年間で1件当たり数千万円から数億円程度の出資を行うと述べている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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