なぜ荏原製作所のタウンホールミーティングは成果につながるのか
現場から声が上がることを歓迎すると語りながら、実際にはその声を受け止める覚悟ができていない経営者も多い。そのような組織ではボトムアップの動きは生まれづらい。トップダウンとボトムアップが噛み合うサイクルが荏原製作所で実現したのはなぜなのか、宇田川氏がさらに問うと、須田氏は毎月実施するタウンホールミーティングの取り組みを紹介した。
「執行レベルのプレジデントが月に1回、必ず地方を回って話をするので、声が届きやすいんです。ある意味、現場の声というのはお客様の声ですから、それを聴いたプレジデントはすぐにやろうということになり、スピード感がありますね」(須田氏)
宇田川氏は、スピード感をもって対応できるのは権限委譲が機能しているからだと評価した。また、ひとりではなくチームで考えているという状態をコーポレート部門が支えていることも、スピード感に寄与しているのではないかと指摘した。