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第一三共ヘルスケア、ポーラ・オルビス、京都キャピタルパートナーズが語る、CVCが提供する“価値”

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CVCの投資活動に注目すべき理由

 「投資主体は、必ずしもVCだけではない」。モデレーターの立山氏は、セッションをこう切り出した。スピーダが公開した「JAPAN STARTUP FINANCE2024H1」で、2014年以降、投資活動に取り組む企業数を見てみると、常にCVCがVCを大幅に上回ってきたことがわかる。しかも、2014年時点で358社だったCVCは、2023年に1044社と大幅に増加しているのだ。

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 さらに立山氏は、金融機関にも注目する。都市銀行から信用金庫までを含めた全金融機関約400社のうち、2014年時点は44社、2023年にはさらに伸びておよそ3割にあたる125社が投資活動に取り組んでいる。金融機関各社の投資方針は様々だが、純投資だけではなく、地元企業の支援や、自社および金融業界とのシナジーを見据えた戦略投資も目立ち始めている。それを鑑みれば、金融機関もCVCに類した投資主体として捉えられるというのが、立山氏の考えだ。

 続けて立山氏は、投資金額の総額も2010年代の後半から大幅に増えており、それは政府が大企業とスタートアップの連携を推進し始めた時期とちょうど重なると指摘する。オープンイノベーションの概念が提唱されたのは2003年だが、戦略イノベーション創出プログラムやJ-Startupプログラムといった具体策が出てきたのはそれぞれ2014年と2018年だ。これらの政府の後押しを背景に、各投資主体による投資活動が活発化したと考えられる。

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 また、働き方改革の動きも見逃せないと立山氏。2016年に内閣働き方改革実現会議が発足し、2019年には働き方改革関連法が施行。このような外部環境の変化により、自社の事業モデルの見直しを迫られた企業が、新たな取り組みの一環として投資活動を始めた可能性が高いという。

 こうした背景のもと、2010年代の後半に立ち上がったCVCは、8年から10年という一般的な投資サイクルを一巡するタイミングに差し掛かっている。だからこそ今、各CVCの取り組みを改めて振り返って評価し、その意義を再確認することが重要だというのが立山氏の主張だ。

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業界を代表する3社はなぜ投資活動に踏み切ったのか

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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