“変革プレイ”を脱し、現場に「自発性」を構築する秘訣
宇田川:私は、企業変革においてメンバーの「自発性」を構築していくことがかなり難しいという問題意識があったので、「CXのツールを導入したある企業ですごく活用が進んでいる」というお話に興味を持ちました。それで、経営学の中でも「プロアクティブ行動」(自ら主体的になって行動を起こすという意味)という研究領域に詳しい日本大学の黒澤壮史准教授と筑波大学大学院の池田めぐみ助教に加わってもらい、関係者にインタビューを始めたんです。
多くの企業で自発性のない“変革プレイ”が横行しています。多額の投資をしてツールを入れても活用されないことにより、また別のものに投資をするというような悪循環も起きています。LIXILさんではそのようなことが起きず、現場の人たちが自発性をもって活動するようになったのは何故だろうということが、最初の関心事でした。