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IBM、都市のレジリエンスを強化する5つのプロジェクトを発表 地域社会課題に取り組むAIを共同開発

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 IBMは、グローバルな社会貢献プログラムである「IBM Sustainability Accelerator(IBMサステナビリティー・アクセラレーター)」の一環として、都市のレジリエンス強化に焦点を当てた5つのプロジェクトを発表した。

 IBMは国連の持続可能な開発目標11に沿って、都市をより持続可能なものにすることを目指すプロジェクトの提案を募集。100を超える応募の中から、新たに5つの組織がIBMサステナビリティー・アクセラレーターに選出され、それぞれが支援する地域社会とともにその地域社会における重要な課題に取り組むためのAIソリューションを、IBMの専門家と協力して開発するという。

C40 Cities

 世界の主要都市の約100人の市長からなるグローバル・ネットワークであるC40 Citiesは、猛暑やヒートアイランド現象によって生じる可能性のあるエネルギー資源のストレス、死亡率の増加、社会経済的格差といった潜在的なリスクを分析する都市を支援するため、データ駆動型のAIを活用したソリューションをIBMと共同で開発する。

 この新しいソリューションは、都市が適応戦略を策定し、国民の健康リスクや経済的負担を軽減するとともに、国のレジリエンスへの取り組みを強化することを目的としている。気候・エネルギーに関する世界気候エネルギー首長誓約(Global Covenant of mayors for Climate and Energy)と地球観測グループ(The Group on Earth Observations)も、同プロジェクトを支援するという。

国連世界食糧計画(WFP)

 IBMは、米国世界食糧計画(WFP USA)との協定を通じて、緊急事態における人命救助と平和への道筋を築くための食糧援助を行う世界最大の人道支援組織である国連世界食糧計画(WFP)と協力し、WFPの地理空間ツール「GeoTar」を高度なAIとデータ機能で強化する。

 GeoTarは、脆弱性マップを作成し、ターゲット設定や優先順位付けといった運用上の意思決定を改善するのに役立つという。この新機能は、干ばつや洪水、地滑りなどの環境災害によって中断される可能性のある、世界的な飢餓との闘いや食料安全保障の改善に取り組むWFPの国別事務所を支援するとのことだ。

Mass General Brigham

 IBMと非営利の総合学術医療システムであるMass General Brighamは、猛暑に直面する医療システムや地域医療センターのためのAIツールを共同で開発する。同ツールは、超地域的な猛暑を予測し、リスクの高い患者を特定し、猛暑が迫った際に信頼性の高い自動警告を配信するという。さらに、患者に利用可能なリソースを知らせると同時に、臨床医が患者の危険因子をスクリーニングして介入することで、予防措置を講じられるよう支援する。

 同ツールはまず、Mass General Brigham傘下の病院でテストされるという。ツールに使用される患者情報と健康情報は保護され、ツールを使用する各医療システムとその患者内でのみこれらの情報にアクセスできるように、セキュリティー機能を備えて設計される予定だとしている。

Janaagraha Centre for Citizenship and Democracy

 IBMとテクノロジー、都市ガバナンス、公共政策プロジェクトに市民や政府とともに取り組む非営利団体であるJanaagraha Centre for Citizenship and Democracyは、都市データと分析プラットフォームを構築するために協力する。

 同プラットフォームは、都市レベルのデータを統合することで、サービス提供の改善や持続可能な都市開発の促進など、都市住民の生活の質の向上を目指すインド政府が、データに基づいた意思決定、情報に基づいた介入を行えるように設計されるという。データを空間化し、環境や社会経済のデータを含めることで、場所に基づくガバナンスの強化を目指す。データを標準化することで、データの透明性と相互運用性、ソリューションの採用もサポートするとのことだ。

Kota Kita

 持続可能で社会的に公正、公平、民主的な都市を推進する非営利団体Kota Kitaは、気候ストレスにさらされているインドネシアのサマリンダ市民のニーズを特定し、対応するための新しいAIモデルをIBMと共同で開発する。

 同モデルは、自然災害などの物理的脆弱性と、人口増加や清潔な水へのアクセスなどの経済的・社会的変数を考慮して設計されるという。また、レジリエンス構築に関する取り組みの発展を促進し、最終的には地域コミュニティーの脆弱性を軽減するための新しいプロジェクトの実施を可能にすることを目的としている。

持続可能な消費と生産のためのAI

 IBMは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9および12に沿って、「持続可能な消費と生産のためのAI」に関するプロジェクトに焦点を当てた、新たな提案を募集(RFP)することを発表。同プロジェクトは、4月30日まで募集しているとのことだ。

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