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博報堂発社内ベンチャーSEEDATA宮井CEOが社内起業をした理由

株式会社SEEDATA CEO 宮井弘之氏 インタビュー(前編)

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 株式会社SEEDATA CEOの宮井弘之氏。氏は現在、先進的な消費者群(TRIBE)に関する衣食・健康等、さまざまな切り口から調査した消費者データベースを構築、オンラインサービスとして提供するトライブリサーチ事業とそれらのデータを活かした共創コミュニティ事業を展開している。SEEDATAは、博報堂のベンチャープログラム、「AD+VENTURE」選出の社内ベンチャーだ。宮井氏の事業立ち上げに至るまでの経緯、そして、事業化における難局や課題をいかに乗り越えてきたのかを聞いた。インタビュアーはBiz/zineでおなじみのbiotope佐宗邦威氏。

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広告会社に入社も、キャリア初期は“希望外”からのスタート

佐宗(biotope 代表取締役社長 / イノベーション・プロデューサー):
 まず、宮井さんはどんなキャリアからスタートし、どのような経歴を経て、今どのような取組みをされているのか、お伺いできますか?

宮井(株式会社SEEDATA CEO):
 僕は新卒で博報堂に入社して、なぜか3年半は広告とまったく関係ない業務を行っていました。社内の情報システムを構築するために、博報堂全体の業務分析をするセクションに所属していました。博報堂の営業がどのように売上を請求し、どうやって債権を回収して、1個1個の業務オブジェクトをいかに管理するのかを把握し、情報システムに落としこむ要件定義が主な業務内容でした。希望とは全く違いましたね(笑)。自社の業務分析に3年半従事したところ、「そろそろ希望の職種でやらせて欲しい」と相談すると、「じゃ、そろそろ君の希望の業務に」と(笑)。自分の希望するプランナー職に配属されたので、今までの遅れを取り戻そうと、毎日深夜まで働いていました。

佐宗:
 異動先の部署では、どんな業務を担当されていましたか?

宮井:
 「アンケート調査の分析」が中心でした。調査データの分析から得られるマーケティング機会や商品開発アイデアなどを、2週間に1回のサイクルで顧客に提案していました。「ワークショップ→分析→調査」というサイクルを、繰り返していました。大変でしたが、基礎体力はこの1年半で身につけることができました。定量調査と企画書の作り方に関しては、この経験が今でも基礎となっています。情報システム構築のための社内の業務分析、アンケート調査分析で、入社から5年間が経過しました。
 その後、現在も関わっている「ブランドデザイン」、「商品開発」、「イノベーション支援」を行う部署に配属され、今までの定量調査中心の分析から、定性調査の分析へとシフトしていきました。
 これらの業務経験から「徹底的に顧客心理を追求するところからイノベーションを支援する」ことに“自分の軸”が定まり、2015年10月から取り組んでいるSEEDATAを起業し、CEOの職に就きました。起業といっても博報堂DYグループの社内ベンチャープログラム、「AD+VENTURE」からの選出、つまり社内起業制度を活用しての起業となります。

宮井 弘之株式会社SEEDATA CEO 宮井 弘之 氏

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